2026年1月27日(火)

トランプ2.0

2026年1月27日

 米国のトランプ大統領が看板スローガン「MAKE AMERICA GREAT AGAIN」(MAGA)を唱え始めて以来、今年で5年を過ぎた。しかし、ここにきて、果たして米国は「偉大」になっているのかとの根源的な議論が出始めている。

「MAGA」の下で実施された政策は米国を「偉大」にしたのか?(AP/アフロ)

1期目の出馬時に〝誕生〟

 トランプ氏が初めて「MAGA」を打ち出したのは、去る2015年6月、1期目の大統領選初出馬を正式表明した時だった。ニューヨーク五番街の自らが所有する「トランプ・タワー」1階ロビーに詰めかけた大勢の報道陣を前に、次のように述べた:

 「わが国は今、深刻な多くのトラブルに埋没してしまっている。悲しいことに、アメリカン・ドリームはもはや死んでしまった。私は本日、この場所で大統領選挙への出馬を正式に表明する。そして、『アメリカを再び偉大にする』(Make America Great Again)……。私は、神が創造した『最も偉大な仕事師大統領』になる。当選した暁には、より偉大でより良質でより力強いアメリカン・ドリームを取り戻す」

 ただ、このフレーズはもともと、1981年レーガン大統領が就任当時、国民向けに呼び掛けた演説の中の“Let‘s Make America Great Again”から無断借用したもので、唯一の違いは”Let’s“だけが欠落し、5単語から4単語になったに過ぎない。

 しかし、トランプ氏はその後、4単語の頭文字だけを大文字扱いの「MAGA」として自らのコピーとし、大々的に政権の看板スローガンに発展させていくことになる。

 そこでまず、トランプ政権1期目の4年間の実績を改めて振り返ってみよう。最大の関心事はいうまでもなく、経済状況が前任のオバマ民主党政権当時との比較でどう推移したかにある。

 ホワイトハウスは2020年末、1期目4年間の経済政策を総括する以下のような「ファクトシート」を発表し、その成果を自賛した:

 「中国由来の新型コロナ危機に見舞われる前までは、トランプ大統領は史上最高の経済を築き上げ、2019年には中産階級の所得を最高レベルにまで引き上げる一方、貧困率は最低になった。雇用は1億6000万人増となり、失業率は過去50年来、最低となった。コロナ危機で一時経済停滞を余儀なくされたが、その間、労働者と家庭を経済的破綻から救うための大規模な助成措置を打ち出した結果、米国経済は数か月のうちに経済成長、雇用両面で記録的成長を記録した」

 ところが、実体はこの大言壮語とはかなり隔たりがあった。


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