2026年1月30日(金)

トランプ・パワー

2026年1月30日

 「友人は敵よりも悪い」と語るトランプ氏は、同盟国と友好国という従来の枠組みではなく、強者と弱者という2つのレンズを通して弱者にディール(取引)を迫り、強者側に立つ。彼にとっては、強者と一緒にいるのが快適なのだろう。13年にオバマ元大統領が「米国は世界の警察ではない」と述べてから10年以上が経過したが、今や米国は、「本来取り締まるべき世界の強権主義者の味方」に変貌してしまった。

メリーランド州での「CPAC25」(筆者撮影)

「日米黄金時代」か
「米中黄金時代」か?

 トランプ氏は首都ワシントン、ロサンゼルス、シカゴなど、民主党系の都市に州兵や移民関税捜査局の職員を派遣し、不法移民のみならず合法的な移民までも強制的に国外追放している。また、トランプ氏に批判的なボルトン元大統領補佐官(国家安全保障問題担当)を機密文書の取り扱い違反の廉で起訴させた。こうして国民に恐怖心を与え、自分に対して批判や反対意見を出させない社会と国家を作りつつある。そのトランプ氏のリーダーシップに従わざるを得ないのが日本だ。

 残り3年の任期になったトランプ氏に対して、日本はどのようなコミュニケーションによって乗り越えていくことができるのだろうか。また、どう振る舞っていけばよいのか。

 高市氏は昨年10月の日米首脳会談でトランプ氏を褒め上げ、安倍晋三元首相との関係を強調しながら終始笑顔で応じた。しかし、高市氏はフレンドリーという印象を与えるよりも、むしろ「強いリーダー『像』」を発信し続けることが不可欠だ。

 高市氏は、カードは持っていないが、イメージを出すことはできる。トランプ氏は中国と高市氏を比較し、「大豆」と「レアアース」のカードを握っている習氏に与する「利」をみている。高市氏は「日米黄金時代」をアピールしたが、トランプ・習の両氏に言わせれば、時代の流れは「米中黄金時代」に向かっているというのだ。

 「トラ高(トランプ氏と高市氏)」の良好な関係維持のため、トランプ氏と一族や米国への利益、すなわち、「実利」を伴ったコミュニケーションが必要になる場面も出てくるだろう。次の3年間、高市氏にとって「強いリーダー像」と「実利」が鍵になる。トランプ氏を日本側に引き付けておくには、この2つの要素が必要不可欠だ。「米中黄金時代」に向かって加速させないためにも、高市氏が良識な危機感を持ち、この点を深く理解して振る舞えるのかが、今後の日本の方向性を決定づける大きな要素の一つになるだろう。

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