多くの人々に惜しまれつつ2025年1月に引退したドクターイエロー(T4)。その最後の一年をドキュメントタッチで追ったJR東海公式写真集『ありがとうT4』発売を記念して、写真家の村上悠太さんとドクターイエローの“中の人たち”、電気部の検測員(当時)7人によるトークショーが先月20日にリニア・鉄道館(愛知県名古屋市)で開催。ラストランの裏側、写真集の制作過程について振り返りました。
時速270キロで走行しながら、線路や架線、信号などの状態をチェックするドクターイエロー。2001年より、10日に一度走行していましたが、その運行日時が公開されなかったせいか、いつしか「見れば幸せになれる」と言われる存在になっていきました。
写真集は、JR東海全面協力のもと、鉄道写真家の村上悠太氏が1年間密着。T4の運転台から見たラストランの光景や、車内で働く検測員たち、大井基地内でのメンテナンスの様子など「公式だから撮れた写真」約400点を収録する。
ドクターイエローと共に引退した鉄道員
ドクターイエローの引退と共に定年退職した田中修(おさむ)さんは、車内で検測し、記録する際にはいつも鉛筆を使っていました。「普段はシャープペンシルを使っていますが、ドクターイエローに乗っている時は忙しく、メモも早く書かなくてはいけないので、手に力が入ってシャーペンの芯が折れてしまって」。トークショーのスライドで、田中さん、そして歴代の検測員が使っていた黄色い鉛筆削りの写真が映し出されると、観客席で最前列に座っていた観客の1人が「その鉛筆削り、持っています!」と発言し、会場がどよめきました。
ドクターイエロー関連の物品は、一時期オークションに出品されていたそうです。田中さんはこれまで新聞や雑誌などメディアからの取材も多く、テレビにも出演しました。「この写真集も本当にうれしいです。これ以上ない記念になりました」
