Foreign Affairs誌(電子版)は、エルドアン・トルコ大統領は、スンニ派イスラム原理主義に基づくネオ・オスマン・トルコ帝国の樹立を夢見ているが、国内では政治経済問題に直面し、外にはイスラエルとの対立が激化しており、トランプ大統領の支持も当てにならない、とする論説‘Erdogan’s Imperial Illusions’を掲載している。要旨は次の通り。
エルドアン大統領が目指すのはトルコが中東を導くことであり、過去の遺物と嘲られたオスマン・トルコ帝国を秩序と多様性のモデルとして再現しようとしている。
エルドアン大統領にとり直近の問題は、イスラエルとの対立激化だ。一連の衝突の結果、イスラエルは地域覇権国として浮上して来た。
イスラエルの軍事的支配力、安全保障ネットワークの拡大は、トルコによる指導力の発揮を困難にしている。イスラエル側はトルコが地域覇権を得ることを望まず、さらに、トルコが主導するスンニ派原理主義の枢軸がその地域覇権の妨げになると懸念している。
最大の問題はシリアだ。トルコはその影響下で統一し、安定したシリアを望んでいるのに対し、イスラエルはシリアが脅威とならないよう宗教・民族的に分断していることを望んでいる。それゆえトルコとイスラエルは衝突コースに向かっている
トランプ大統領は、トルコを米国の安全保障上のパートナーとする事でエルドアン大統領を助け、そのネオ・オスマン・トルコ帝国主義を支持している。トランプ政権は、トルコがシリアに勢力を伸ばし地域のプレイヤーとなれば、米国はリソースを他に割くことが出来るので、それを歓迎している。しかし、気まぐれなトランプ大統領が支持していると言ってトルコが米国の支持を確信したり、厳しい現実が変わったりするわけではない。
