2026年1月8日(木)

教養としての中東情勢

2026年1月6日

 2026年の中東情勢は波乱の幕開けとなった。イエメンではサウジアラビア連合軍がアラブ首長国連邦(UAE)支援の分離独立派を空爆、石油大国同士のライバル関係が一気に緊張した。イランではインフレなどに抗議する反政府デモが全土に拡大、治安部隊との衝突が続発した。ガザ戦争の平和確立への動きは見えず、視界不良の新年となった。

イエメンの分離派「南部暫定評議会」の支持者たちによる集会。中東情勢は混とんとしている(AP/アフロ)

戦争状態に突入

 サウジとUAEの対立については「サウジ皇太子がトランプと“親密”な協力を結んだ背景、UAE追い落としの妙手、トランプが近づく理由は…」で報じたばかりだが、昨年末の12月30日に激化した。サウジ主導の連合軍がこの日、イエメン東部ハドラマウト州の港で、大量の武器や軍用車両を確認したとして空爆を実施。サウジメディアによると、武器はUAEがイエメンの分離派「南部暫定評議会」を支援するため運んだものという。

 南部暫定評議会は「今や我々は暫定政府との戦争に入った」との声明を発表した。暫定政府当局者によると、サウジ主導の連合軍は暫定政府の要請に応じて空爆した。

 南部暫定評議会は武器が荷揚げされていたことを否定。空爆後、UAEはイエメンに残留している軍部隊を撤収させると表明したが、ここにきてサウジとUAEの代理戦争がクライマックスに達した印象だ。

 イエメン内戦は首都サヌアを押さえるイラン支援のフーシ派、サウジが援助する暫定政府、そして南部暫定評議会の三つ巴の争いだ。当初はフーシ派と暫定政府との戦いだったが、サウジ主導の連合軍の介入が弱まる中で、暫定政府の一員だった「南部暫定評議会」が勢力を拡大。昨年暮れに南部と東部を制圧、暫定政府を追い詰めていた。

 暫定政府と南部暫定評議会の対立はそのままサウジのムハンマド皇太子とUAEのムハンマド大統領の確執を表すものだ。両国ともペルシャ湾岸の君主国であり、石油大国だ。湾岸諸国の石油政策にも影響が及ぶのは必至で、日本を含む世界経済にも深刻な影を落としそう。


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