「Trump 2.0」の2025年は、第一次政権時と打って変わり、大統領個人の“本性”が内政、外交両面で一気に顕在化した。しかし、共和党内部の結束にひずみが出始めているほか、支持率低迷も続いており、11月中間選挙結果次第では、レイムダック化がさらに加速する可能性もある。
政権発足から動いた「衝撃と畏怖」
昨年1月に発足した第二次トランプ政権の特徴を一言で表現するとすれば、内政、外交ともに「shock and awe(衝撃と畏怖)」戦略の徹底だったと言えよう。
第一次トランプ政権(17~21年)は、前年の大統領選でヒラリー・クリントン民主党候補相手に最後まで大接戦を強いられ、大統領選挙人数で勝利したものの、一般国民般投票総数では280万票の差をつけられただけに、どちらかと言えばスタート時から“慎重運転”を強いられた。
これとは対照的に、「トランプ2.0」は、返り咲きを目指した24年大統領選での大勝を足場に、なりふり構わぬスタートを切った。「shock and awe」戦略の狙いは初めから、国民や諸外国を混乱させ、当惑させ、驚かせ、不安がらせることにあった。
まず内政では、議会の通告もなしに州兵と予備兵を唐突に民主党地盤の諸州に投入し、各都市で“不法移民”摘発に乗り出し、司法省に民主党系要人の“政敵狩り”を命じ、リベラル系大学に対する助成金打ち切りの脅し、米議会乱入・占拠事件などで有罪判決を受けたトランプ支持者たちの一連の恩赦措置など、特記すべきニュースが相次いだ。
対外面では、大統領令により日本など同盟諸国を含む諸外国に対して強行した高関税措置は「衝撃と畏怖」の最たるものであり、ウクライナ戦争和平交渉では、大規模侵攻に出たロシアに同情的立場を見せる一方、ウクライナのゼレンスキー大統領への批判を繰り返すなど、バランスを欠いた独断外交が目立った。
長期的安全保障戦略についても、年末に発表された基本指針「国家安全保障戦略」(NSS)は、歴代共和党政権の理念から大きく逸脱するものであり、対外コミットメントを減らし自国利益を追求する「米国第一」主義が前面に打ち出された。
問題は、トランプ氏のこうした個人的信条に裏打ちされた内外政策が、政権2年目に入ってからもそのモメンタムを維持して行けるかどうかだ。
この点で、カギとなるのが、これまで政権のバックボーン的役割を果たしてきた「MAGA」(Make America Great Again:米国を再び偉大にする運動に賛同する人々)支持層および議会共和党の今後の動向、さらに11月中間選挙を控えた有権者の支持率だ。
