ウォールストリート・ジャーナル紙の2月3日付け社説が、プーチンはウクライナ戦争で大量の死傷者を含む犠牲を払いながら、それに見合う領土拡張を達成できておらず、実際には弱体化しているとして、トランプはこの戦略的好機を逃さずより厳しい制裁とウクライナへの武器支援で交渉を有利に展開すべきだ、と主張している。要旨は次の通り。
トランプ大統領はベネズエラ問題で手一杯で、イランへの軍事行動も検討している。しかし、ウクライナ戦争は依然として続いており、プーチンは自分が敗北するはずがないと世界に思わせようとしている。この戦争に関する新たな詳細な報告は、プーチンが勝利しておらず、トランプは依然として名誉ある平和を実現するために軍事的・経済的圧力をかけることができると強調している。
戦略国際問題研究所(CSIS)のセス・ジョーンズとライリー・マッケイブの推計によると、ロシア軍は2022年以降、ウクライナで120万もの死傷者を出している。ロシアの死者数は32万5000人にも上るとみられ、これは第二次世界大戦以降のソ連とロシアのすべての紛争の死者数を合わせた数の5倍以上に相当する。
ロシアは大国であり兵士を投入し続けることができるため、最終的にはプーチンが勝利する、というのが通説だ。しかし、プーチンは損失に見合うだけの領土拡大を達成できていない。
例えば、プーチンはポクロフスク市を制圧しようと奮闘しているが、ロシア軍は24年2月下旬から今年1月にかけて、この地域で平均1日70メートルのペースで進軍したに過ぎない。
ウクライナ戦争は第一次世界大戦の塹壕戦に例えられるが、ロシア軍の進撃は「第一次世界大戦中の悪名高い血みどろの戦いであるソンムの戦闘を含む、過去1世紀で最も残忍な攻勢作戦よりも遅い」と報告書は述べている。ウクライナ自身も人員不足に悩まされているが、ロシア軍の死傷者はウクライナの2倍から2.5倍に上る。
一方、CSISは、モスクワの予算の半分が「軍、軍産複合体、国内の治安、そして債務返済」に流れていると指摘している。モスクワには、この戦争を長期にわたって支え続けるだけの経済成長と活力がない。一例を挙げると、ロシアには「時価総額で測ったテクノロジー企業トップ100社の中に入る企業は一つもない」。
これら全ては、プーチン大統領が交渉の場で優位に立てないことを意味している。ロシアの独裁者は弱体化しており、トランプ氏にはその状況を、より厳しい制裁と米国製兵器の増強によって利用し、少なくともプーチン大統領に奪われた領土の一部を放棄させ、真の安全保障の保証を受け入れさせることが可能なのだ。
