2月23日までの春節休暇が間もなく終わろうとしている中国。今年は過去最多の延べ約95億人が大移動するという予測だった。そのうちの一部は海外旅行に出かけたが、今年の人気の渡航先は韓国、タイ、ベトナムなどで、日本はトップ10以下だった。
昨年11月に高市早苗首相が台湾有事を巡る発言をしたことをきっかけに、中国は自国民の日本への渡航自粛を呼び掛けたり、日本エンタメの中国での公演を中止したり、日本産水産物や日本産牛肉の輸入再開手続きを中止するなどの措置を相次いで実施。日中関係は急速に悪化しており、影響をもろに受けているものと思われる。
それを反映するように、18日に日本政府観光局が発表した今年1月の訪日外国人客数(推計値)で、中国からは前年同期比60.7%減の約38万5300人だったことがわかった。近隣の韓国や台湾からは伸びているが、中国(と香港)は大幅に減少しており、政治の影響が大きかったことをうかがわせる。
春節期間を挟む2月はさらに減少することが見込まれそうだ。中国からの団体観光客を受け入れてきた山梨県などのホテルの一部は、春節とは思えないほど閑散としており、団体客がいないことが経営を大きく圧迫している。日中関係改善の見通しが立たなければ、死活問題になりそうな気配だ。
しかし、その一方で、個人旅行客の中には、この春節休暇も日本を目指す中国人がいた。訪日中国人客の中で個人客の割合は8割以上を占めているので、団体客が来なくても個人でなら来られるだろう、という見方もあるが、昨年末から中国政府が何度となく「日本への渡航自粛」を呼び掛けている関係で、個人客も今年は二の足を踏んでいる。日本旅行を断念した人の中には、韓国旅行に出かけた人もいて、韓国は思わぬ「特需」に沸いている。
日本旅行については、公務員はまず来られないし、一般企業の会社員でも「上司から事前にクギを刺されている」という人は来たくても来られない。それでも日本に来ている人はいるのか。どのような人なのか。筆者の知人の中にもたまたまいたので、彼らに「日本旅行する本音」を聞いてみた。
