2026年2月22日(日)

チャイナ・ウォッチャーの視点

2026年2月22日

〝中国向け〟の装飾がない方が良い

 もう一人、東京に遊びに来た女性もいる。上海在住の50代で、その女性は子どもが日本に住んでいるため、子どもと春節を一緒に過ごすためにやってきた。

 普段は主婦をしており、この女性もとくに「渡航自粛」の影響は受けない人だ。日本では春節ならではの風景は見られないが、「それがかえって良かった」と本音を打ち明ける。

 理由は、以前の爆買いブームの頃は、都内のドラッグストアなどに行くと、中国人向けに真っ赤な装飾が施してあり「ここは、中国?」と見間違うほどで恥ずかしかったが、現在では、団体客が減少し、中国人向けの装飾や中国語のPOPなどが減少したからだ。

 日本では、中国人客をすべて団体客であるかのようにイメージしている人がいて、そうしたイメージから「中国=真っ赤な装飾が好まれる」と思いがちだが、日本旅行にやってくる、洗練された個人客はそうしたステレオタイプなデザインは好きではない。そのため、今の静かな東京のほうが気に入っているという話だった。

 その女性は中国の大晦日にあたる日は子どもと一緒に都内のホテルでちょっと豪華な食事を楽しんだが、それ以外はとくに何もせず、中国で過ごす春節と同様、自宅でのんびりと過ごしたそうだ。

中国人観光客がいなくなるわけではない

 彼らのように、とくに中国政府の渡航自粛の影響を受けない人はほかにもいて、彼らは日本旅行にやってきている。日本での報道も目にしているため、なるべく目立たないようにして過ごしている。有名観光地には出かけないため、そこがオーバーツーリズムになってしまうようなことはないし、日本人と同じようにマナーや節度を守っている。

 その数がどれくらいいるのかわからないが、たとえ前年同期比で60%減であっても、日本を目指してくる中国人がいなくなるわけではない。日本では、中国人客に依存するリスクを指摘する声があるが、十把ひとからげに捉えるのではなく、中国人客の中にも「いろいろな人」がいることを把握しておくべきではないだろうか。

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