中国では、2026年から第15次五カ年計画(2026~30年)がスタートする。既に報じられているように、第20期中国共産党中央委員会第4回全体会議(25年10月20~23日開催)において『第15次五カ年計画策定に関する建議』(以下、『十五五建議』)が採択され、同計画の「骨太の方針」が示された。また、12月10~11日に中央経済工作会議(以下、経済工作会議)が開催され、26年の年次経済政策指針が示されている。
本稿では、これらの政策決定を整理し、直近までの経済動向との対応ぶりを分析することで26年の中国経済の予測を試みる。なお、26年3月の全国人民代表大会に向けて新五カ年計画の詳細が立案されるこの重要なタイミングで「内需拡大」を強調する習近平総書記の講話(演説)集が公表された。同講話の影響についても考察する。
第15次五カ年計画建議
『十五五建議』が掲げる計画の主要目標と経済工作会議で示された26年の重点分野を【表】に整理した。
『十五五建議』主要目標としては、「質の高い発展」実現を軸に「科学技術の自立自強」、「全面的な改革深化」が挙げられている。「質の高い発展」のカバー範囲は社会、国家安全保障にまで及ぶが、経済分野では「現代的な産業システム」の構築が目標である。
その柱は①新興産業(新エネルギー、新素材、航空宇宙、低空経済など)の産業クラスターを形成すること、②未来産業(量子技術、バイオ製造、水素エネルギー、核融合エネルギー、ブレイン・コンピュータ・インターフェース、エンボディドAI、第6世代移動通信など)を新たな成長点とすること、である。
これを支えるために「科学技術の自立自強」が必須となるが、当該部分の表現は従来以上に強い。すなわち、産業の核心技術(集積回路、工作機械、ハイエンド計器、基礎ソフト、先進的素材、バイオ製造)を獲得するため「新型挙国体制」で臨み、「常識を超えた措置をとる」としている。

