2026年1月7日(水)

チャイナ・ウォッチャーの視点

2026年1月5日

 直近の社会政策を見ると、①育児手当支給、育児費用の個人所得税所得計算からの控除(人口政策)、②介護保険制度の推進(福祉政策)、③都市・農村の住民基礎年金の引き上げ(福祉政策)、④低所得層の収入を効果的に引き上げ中所得層の拡大を図る(所得再分配政策)、などが打ち出されている。

 ただし、『十五五建議』ではこれら社会政策の順位は第9位、経済工作会議でも7位である。上記政策が低所得層の所得・消費を底上げする効果を持つことは確かであるものの、政権がどこまで力を入れていくのか、今後の動向が注目される。

経済動向から見た政策評価

 【図】に第14次五カ年計画期の国内総生産(GDP)成長率と需要要素(消費、投資、純輸出)別成長寄与度を示した。21、22年の変動幅が大きいのは新型コロナ感染症流行や関連する大都市ロックダウンの影響であるが、ここでは取り上げない。問題視したいのは、23年第2四半期以降10四半期連続で名目成長率が実質成長率を下回るデフレに陥っていることである。

 不動産不況や過剰生産、「内巻」、家計の強い貯蓄志向が背景にあると考えられ、大幅な需要不足状態にある。直近の統計を見ると、1~11月の社会商品小売総額は+4%(11月単月は+1.3%)と伸び悩み、固定資産投資は-2.6%、消費者物価は±0%、生産者出荷価格(卸売物価に相当)は-2.7%であり、デフレスパイラル(消費低迷で物価下落→企業業績悪化→投資減少・賃金低下・失業率上昇→更なる消費低迷)の兆候が顕れている。

 本稿で分析してきた『十五五建議』、経済工作会議の政策配置では、まだこうした需給ギャップを埋めるには不足だと思われる。国際通貨基金(IMF)、アジア開発銀行(ADB)、経済協力開発機構(OECD)は26年の中国経済成長率を4.2~4.4%と予測しているが、筆者はさらに26年3月開催予定の全国人民代表大会を待つ必要があると考えている。

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