2026年3月5日(木)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2026年3月5日

 中国はレアアースの世界生産の70%を占め大きな力を発揮している状況を打開すべく、米国は、同盟国やパートナー国に働きかけて、54の国と地域が参加する「重要鉱物閣僚会議」を開催した。トランプ政権にしては珍しい多国間アプローチは注目に値する。

(pingingz/gettyimages)

 Foreign Policy誌(web版)の2月5日付け解説記事が、「トランプ政権がレアアースなど重要鉱物のサプライチェーンの確保を目的とした貿易圏構想を打ち出したことは、中国に対抗する上で評価できるが、実際に効果が生ずるには時間がかかるであろう」と分析している。要旨は次の通り。

 トランプ政権が開催した初の「重要鉱物閣僚会議」には50カ国以上の政府関係者が参加した。2月4日の開会演説で、J.D. ヴァンス副大統領は、関税を用いて鉱物の価格の下限を設定する「特恵貿易圏」の構想を提唱した。

 これは、価格の急騰やその他の市場混乱からサプライチェーンを保護するものであり、メンバー国は、重要鉱物や資金調達へのアクセスが可能になる。ヴァンスは、同盟国及びパートナー国と共に地域全体の生産を拡大する貿易圏を形成したいと述べ、重要鉱物をメンバー国以外の国に依存する必要がない体制を築くチャンスだと付け加えた。

 これは、経済と国家安全保障に不可欠とみなす約60種類の重要鉱物の新たなサプライチェーンを確保するための、トランプ政権による最も積極的な動きの一つである。これらの鉱物は、先進的な兵器システムからグリーンエネルギー技術に至るまで、世界で最も重要な技術の多くを支えている。

 米国にとっての問題は、中国がこれらの素材の世界的なサプライチェーンの多くを掌握し、特にレアアースに関する強固な支配力を用いて貿易交渉においてトランプ政権に対抗してきたことだ。


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