2026年2月16日(月)

Wedge OPINION

2026年2月16日

 2024年10月23日、ロシア西部のカザンにてインドのモディ首相と中国の習近平国家主席が握手を交わした。

2025年8月、7年ぶりに訪中したモディ首相。印中は急速に雪解けに向かっている(SPUTNIK/JIJI)

 それぞれが14億人もの国家を率いるパワフルな政治リーダーである。ソ連崩壊後の世界経済を牽引し、価値観も共有してきた米欧先進国グループと一線を画した両国は、経済成長と軍事力増強とともに日に日に発言力を強めている。

 歴史的に米ソ(ロ)印中パの関係は濃密に絡み合うが、印中関係の構造的「断層」は一貫して国境、すなわち主権問題にあり、両国が原則的に譲歩しがたい点に本質がある。

 とはいえ、政治体制は異なれども、ともに「強権・開発独裁・演出型」がアイコンのモディ首相と習主席の〝相性〟は合ったようで、14年の習近平訪印(グジャラート)、18年のモディ訪中(武漢)、19年の習近平訪印(チェンナイ)と相互交流を重ねていた。

 しかし、「テクノクラート・非演出型」同士のマンモハン・シンと胡錦濤時代に比べ、モディ・習関係においては印中間の不安定化イベントが「管理された協調」を一気に吹っ飛ばすリスクがあった。実際、印中ともに多数の死傷者を出した20年のガルワン渓谷国境紛争以来、印中関係は事実上の凍結状態に入った。そこから約4年を経て冒頭の24年カザン・BRICSプラスサミット中の印中首脳会談となる。

 双方が国境紛争という軍事純コスト負担の軽減を望み、インド側は自国産業振興加速のために中国からのサプライチェーン復活を望み、また中国側は不動産バブル崩壊による経済不調打開のための市場探索と制度化された米中対立環境を前提にインドとの融和を望み、利害が一致した。ただし、これは関係改善というより、対立をこれ以上悪化させないための現実的調整に近かった。


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