日本の生活インフラはどこまで中国に依存しているのか
日本の食卓は、静かに、しかし確実に変質しつつある。日本の自給率は先進国でもっとも低い水準にあるが、冷凍食品が家庭でも外食でも広く使われているため、その実感は乏しい。スーパーで「○○産」のほうれん草を買っていれば日本産であるが、冷凍食品であればほぼ海外産である。
日本冷凍食品協会によると、頻度が増えた理由に男女ともに「調理が簡単で便利」に次いで、女性について前回調査(2024年2月)と比較すると、「野菜などの生鮮食品の値上がり」を挙げた人は24.1%から33.6%へ約10ポイント増えた。物価の値上がりは日本産から海外産への依存につながる原因がここにもある。
コンビニ弁当からブロッコリーが消え、介護施設では刻み食の野菜が不足し始める。輸入に大きく依存する冷凍野菜は、国際物流の遅延や供給国の生産変動が起きると、数週間で国内の棚から姿を消す。
多くの国民は気づかないが、これは単なる「品薄」ではない。日本の生活インフラの深層で進行している“構造的な異変”である。
冷凍ほうれん草の多くは中国に依存し、ブロッコリーも輸入が大半を占める。この数字は、単なる貿易統計ではない。日本の給食・介護・中食を支える「生命インフラ」の実態そのものだ。
冷凍野菜は“安い副菜”ではなく、社会を支える基盤である
冷凍食品は家庭用よりも、病院・介護施設・学校給食といった集団給食で圧倒的に多く使われている。高齢者施設では年間1〜2トンの冷凍野菜を使い、刻み食・嚥下食の素材として欠かせない。
学校給食では、彩りや栄養バランスを保つために冷凍野菜が不可欠であり、共働き家庭や高校生の弁当・惣菜も、冷凍野菜なしでは成立しない。
つまり冷凍野菜は、もはや“安い副菜”ではなく、日本社会の栄養供給を支える裏側のインフラである。
しかし、その供給構造は驚くほど脆弱だ。

