トランプ大統領は眠れない夜を過ごしているのではないか。簡単に考えていたイランへの攻撃が長期化し、大きなエネルギー価格の上昇を引き起こした上に、ヘリウムガス、肥料など、米国経済に深刻な影響を与える物資の供給も減少している。
トランプ政権に批判的な米メディアは、「トランプ大統領はイランをベネズエラと同様に考えていたのではないか」と解説している。ベネズエラでは、指導者を入れ替えただけで片がついたが、イランの強力な軍事力と集団指導体制にまで考えが及んでいなかったのではとの指摘だ。
「イランの指導者選出に関与するなどは妄想を超えている」、あるいは「行き当たりばったりで進めているとしか思えない」との強烈な批判もある。
ホルムズ海峡封鎖も読み間違ったのではないか。イランは今までことあるごとに、封鎖をちらつかせ脅してきたが、本格的な封鎖に踏み切ったことはなかった。
周辺国との関係、原油の大購入者中国への配慮と自国の原油収入、封鎖が引き起こす米国とイスラエルの反撃を考えると、封鎖はしないとみる向きも多かった。しかし、指導者殺害が革命防衛隊を奮い立たせた上に、イランが開発したドローン、シャヘドが封鎖を戦略的に容易にした。
コスト3万ドルと言われるシャヘドを400万ドルのパトリオットでいつまでも迎撃できないし、ドローンによる攻撃を完全に防ぐことも困難だ。米国は対ドローンシステムを導入したが、全てのドローンに無人ドローンをぶつけ落とすことはできないだろう。
米国はタンカーの護衛を宣言したが、いまだ実行せず同盟国に参加を呼び掛けている。米国艦艇が護衛に踏み切らない事実が、ドローン攻撃の怖さを示しているようだ。
ホルムズ封鎖で原油価格は上昇し、米国内でもガソリン価格が急騰している。3月15日時点の全米平均のレギュラーガソリン価格は1ガロン(約3.8リットル)当たり3.699ドルだ。ひと月前の2.927ドルから26%も上昇した。
トランプ大統領は、24年の選挙キャンペーン中、ガソリン価格と電気料金を就任後1年で半額にすると宣言したが「ホルムズ海峡封鎖は再エネにも影響?日本の化学業界にも打撃、エネルギー問題だけではない理由 Wedge ONLINE(ウェッジ・オンライン)」、共に上昇している。これでは不人気に拍車がかかる。
イラン攻撃開始後のクィニピアック大学の世論調査では以下の通り、支持率は低迷している。
米軍最高司令官としてトランプの職務:支持42%、不支持55%。
外交政策:賛成40%、反対57%。
経済:賛成39%、反対58%
このままでは、11月の中間選挙を乗り切ることはできない。まずは、ガソリン価格を下げなければだが、何ができるだろうか。
