大阪・関西万博の閉幕から半年が経過した。万博は2025年4月13日から10月13日までの半年間、大阪市の人工島・夢洲で開催され、終盤にかけて大きなにぎわいをみせた。会場跡地では現在、大屋根リングやパビリオンの解体工事が進む。閉幕直後にいわれた「万博ロス」の余韻が薄れる中、少しでも早く万博レガシー(遺産)活用の道筋をつけたいところだが、現実は厳しい。
万博で運行した電気自動車(EV)バスは不具合が相次いだため路線バスへの転用を断念。肝心の夢洲の跡地活用も明確に決まっておらず、万博を生かした経済成長の実現は踏ん張りどころだ。
実現されない最先端技術の実用化
今年4月中旬の昼下がり、かつて万博会場の玄関口となっていた大阪メトロ夢洲駅は、利用者の姿もほぼなく静まり返っていた。わずか半年前まで連日十万人以上が駅を利用し、入場規制が行われる混雑だった。現在の駅構内では、大屋根リングのイメージ映像などを映し続ける全長55メートルの巨大LEDビジョンだけが、万博の往時をしのばせる。
同線は閉幕後、大幅に減便。現在の夢洲駅は、万博の解体工事や隣接するカジノを含む統合型リゾート施設(IR)工事の作業員らが主に利用している。
関西の大手私鉄の25年4~12月期連結決算は、万博やインバウンド(訪日客)の需要増で阪急阪神ホールディングス(HD)と京阪HD、南海電気鉄道の3社が4~12月期として過去最高益を記録。各社は今、万博で得た需要を生活・観光需要として定着させることが課題となっている。
万博の誘致から資金集めまで旗振り役を果たした関西経済連合会の松本正義会長(住友電気工業会長)は、開幕前から「万博を一時の祭りにしてはならない」と言い続けてきた。地元政財界に共通する考えであり、それには半世紀前に開催された1970年大阪万博後に関西経済が長期間低迷した反省がある。
