商都の意地を見せられるか
万博開催による経済的な押し上げ効果が剥落する中、中国による訪日渡航自粛要請や、中東情勢を受けた原油高・物価高も直撃し、大阪では恩恵を受けてきたインバウンド(訪日客)需要も一服。「万博特需」は去り、企業の倒産件数が増加傾向となっているほか、ホテルの多くが宿泊料を昨年から大幅に値引きしている。
ポスト万博の明るい話題といえば、公式キャラクターのミャクミャクに根強いファンが付き、写真集などの関連グッズの発売が続いていることくらいか。とはいえ、万博で空飛ぶクルマをはじめとした社会を変える可能性があるさまざまな最先端技術が、東京ではなく大阪から発信された意義は大きい。
これらを社会実装につなげるには、法整備や安全性の確保が不可欠だが、新たな技術やサービスには一定のリスクも伴う。古くから商都として発展してきた大阪には、現状に満足せず挑戦を続ける「やってみなはれ」の精神が根付いている。いきなり完璧な形を求めるのではなく、まずはスモールスタートで実証や導入を進め、課題を改善しながら実用化につなげていく視点も重要だ。
万博で生まれた機運が冷めないうちに、最先端技術を具体的なビジネスへ結び付ける取り組みを進めるべきであり、そのためにはスピード感を持った実行と、地元政財界が一体となったレガシー活用が求められる。
