鶏肉価格の高騰が様々なメディアで報じられている。中東情勢が悪化する中、3月末にはサイゼリヤの人気メニュー、チキンステーキ(若鶏のディアボラ風、柔らかチキンのチーズ焼き)が一時販売休止となった。
手ごろな価格で手に入り、栄養価も高い家庭に人気の鶏肉にも値上げの波が顕在化した形だ。消費者を不安に陥れた「エッグショック」ならぬ、「チキンショック」到来への懸念が徐々に広がりつつある。
チキンステーキ休止の要因
サイゼリヤの販売休止は、世界的な鶏肉需要の増加と円安による輸入鶏肉の深刻な供給不足、価格高騰が主因とされる。チキンステーキ商品の原料調達先とされるタイの鶏肉需給状況を農畜産業振興機構の海外レポートでみると、2025年1~10月の鶏肉生産量は234万9464トン、前年同期比101%とわずかに増加。タイ金融大手、カシコン銀行傘下のシンクタンクであるカシコン・リサーチセンターは、昨年12月に公表した報告書で「26年も前年比0.9%増とわずかながら増加が続く」と予測した。
現地の卸売価格は「25年7月から下落傾向で推移し、同年11月も1キログラム当たり54.50バーツ(275円:1バーツ=5.05円)、前年同月比0.7%安とわずかに下落した。この要因について現地関係者は、同年7月にタイ・カンボジア国境地帯の紛争が再燃したことにより大手企業の加工施設で就労していたカンボジア人労働者が帰国したため、①国内向け加工場の解体・分割作業が簡素化され、加工度の低い大手羽が供給過剰になったこと、②副産物の処理が遅れ、加工業者の調達意欲が弱まったこと――を挙げている。一方、現地関係者は、年末需要やタイ南部での洪水発生などから鶏肉の供給過剰は緩和され、今後は価格上昇が予測されている」という。
