フィナンシャル・タイムズ紙の3月26日付け解説記事が、台湾民衆党の柯文哲・前党首の汚職裁判における有罪判決の台湾政局への影響を解説している。概要は次の通り。
台湾の裁判所は、元総統候補の柯文哲(台湾民衆党前党首)に、収賄と汚職の罪で懲役17年を宣告。この判決は、中国からの圧力が強まる中で、台湾における政治的分断をより深刻化する。
この訴訟は台湾で深刻な議論を巻き起こしてきた。専門家は、この有罪判決は、頼総統と与党民進党が司法機関の権力を政敵追い落としに使っている、という野党とその支持者の見方を強めることになると見ている。
柯の有罪判決は、頼政権にとって厳しい状況下で発出された。台湾を自国の一部と主張し、台湾が中国のコントロール下に入ることを拒否し続ける場合には攻撃も辞さないとする中国は、2016年に民進党の政権奪還を実現した頼の前任者である蔡英文の時代以降、敵対を強めている。
米国は台湾有事に介入するかどうかについて曖昧さを保っているが、台湾の将来を平和的でないやり方で決定する如何なる試みに対しても強い懸念を持っている。台湾は、米国が中国の侵略撃退を支援する上で不可欠な米国の長距離巡航ミサイルの在庫がイラン戦争で枯渇していることを懸念している。そして、米国のイラン攻撃以降、米軍が中東に再配備されていることで、地域における軍事バランスが中国有利に傾いていることに懸念を強めている。
頼政権発足以来、野党が多数を占める議会は、議会自身の権力を強めるという物議をかもす決定を含め、頼政権の足を引っ張ってきた。今回の判決は、台湾民衆党の現党首である黄国昌の党内基盤を一層強化し、28年総統選挙で党の代表として立候補する道を開き得る。台湾民衆党は、民進党、国民党という既存二大政党に失望した台湾の若者の支持を得てきた。
黄は、本年の統一地方選挙において、国民党との緩やかな協調関係維持を支持するとみられている。今回の判決は、民進党に対抗するためには協働が必要だという国民党と台湾民衆党の信念を強化することに繋がる。
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