数年前、中国が2027年には台湾を軍事的に脅かすようになるとの予測が米国議会で提示されたが、この予測をめぐる米・中・台湾の動きを26年3月8日付ウォールストリート・ジャーナルが解説している。
21年3月9日、フィリップ・デービッドソン海軍大将は米上院委員会で中国の軍事的発展と野心が「6年以内に」台湾を脅かすようになると示唆した。議会で「27年」が提示されると、台湾は早ければ27年には侵攻の危険にさらされるということがワシントンでは真実と認識されるようになった。
21年6月、統合参謀本部議長マーク・ミリー将軍は、この期限は、軍の近代化に向けて檄を飛ばした習近平の演説に基づくもので、27年は中国軍の侵攻の期限ではなく、中国軍の準備が整う期限だと述べている。しかし、こうした区別は無視され、「27年」は米議会、国防省、台北を巻き込んで紛争が起きる切迫感と恐怖を煽ってきた。
米国は対中戦略の一環として21年以降、太平洋の島嶼に滑走路を築く等、この地域のインフラへの支出を拡大してきた。バイデン政権とトランプ政権は21年以降、台湾への190億ドルの武器売却も承認している。
一方、習は武力行使の可能性は排除しないとしながらも、中国は台湾問題の平和的解決を望んでいると言ってきた。もっとも中国は「27年の侵攻」という主張の重みを軽減しようとはしなかった。
中国は米大統領との会談では侵攻の脅威を強調しなかったが、軍事演習では強調している。最も強力なメッセージを打ち出したのが、台湾を海と空から包囲した昨年の定期的軍事演習であり、北京での軍事パレードだ。
台湾は中国の侵攻について不安を高めることを望まず、また台湾の大半の人々は当初「27年」を深刻に捉えていなかった。しかし24年、頼清徳が総統に就任し、中国を「外国の敵」と認定し、台湾は攻撃の可能性に備えなければならないと述べると、事情は一変した。
頼は、400億ドルの特別軍事予算を計上し、こうした資金投下は27年までの「武力統一」の能力獲得という中国の目標に鑑みて必要だと主張した。昨年夏の軍事演習は明確に27年の侵攻を想定して行われた。
