中国にとって27年は共産党の軍事部門、現在の人民解放軍の設立から100周年、21世紀半ばまでに「世界クラスの軍」を作るという習の計画の第 1 段階に当たる。習が掲げる軍近代化計画は3段階から成り、35年までの「国防と軍の基本的近代化の完了」が第2段階、建国100周年の49年までの「あらゆる敵、特に米国を倒せる世界クラスの軍の建設」が第3段階だ。
軍の発展強化という中国の目標の達成にはいくつか障害もある。まず、中国は79年のベトナムとの紛争以降、本格的な戦争を行っていない。また、軍指導者の多くが腐敗容疑や習への忠誠を疑われて粛清されている。
それでも中国の軍事支出は15年~24年に60%近く増えており、ミサイル、新型航空機、攻撃型ドローン、最先端の空母、部隊や装備の揚陸に使う可動式埠頭を備えた新型艦船等、台湾侵攻で使われるだろう装備を誇示している。
27年が侵攻の期限を表すものではないとしても、中国の軍備増強、あるいはイラン戦争等、米軍にかかる負担の増大は、中国による攻撃の可能性を高める。北京が自国の軍事力は相対的に上がり、米国の優位性は失われたと思えば、不可避的に抑止は弱まり、それは当然軍事行動の可能性を高める、と元米国高官は指摘している。
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中国にとってはあくまで統一すべき「中国の一部」
米国の海軍提督フィリップ・デービッドソンが、上院議会委員会の場において、台湾海峡をめぐる中国の台湾への軍事侵攻の可能性について述べたのは、もう数年前のことになる。そのデービッドソンは、中国共産党軍が台湾への軍事侵攻を行う可能性は、あと5年に迫っていると述べた。これが引き金となり、中国の台湾への軍事侵攻の可能性が真剣味をもって議論されるようになった。そして、今日の時点から見て、その時期は、あと1年後に迫ったことになると ウォールストリート・ジャーナルの記事が述べている。
振り返って、実際に習近平主席自身が台湾侵攻の可能性について具体的時期に言及したことは無い。中国にとっては、台湾はあくまでも統一すべき「中国の一部」にすぎない。
