2026年3月31日(火)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2026年3月31日

 イランと経済的、軍事的関係を深めてきた中国は、米・イスラエルの対イラン戦争によって石油の供給だけでなく、兵器供給や連携相手としての評価にも重大な影響を受けるとMadison Policy Forumのジョン・スペンサーが、2026年3月15日付ウォールストリート・ジャーナルで論じている。

(Oleksii Liskonih/gettyimages・ロイター/アフロ)

 米・イスラエルによるイラン戦争は中東の安全保障とパワー・バランスを変えるだけでなく、中国にも重大な影響を与える。イランはここ10年以上、中国の世界戦略の柱の一つだった。

 イランは中国に低価格で石油を供給し、中国の「一帯一路」の要所となり、中東で米国の影響力に挑戦してきた。今この中国・イランの連携は大きな圧力の下にある。

 中国はイランが輸出する石油の90%を購入し、西側の制裁下にあるイラン経済を支えてきた。中国が輸入する石油の45%はホルムズ海峡を通過するため、戦争による混乱は中国のエネルギー安全保障に直接打撃を与える。

 中国にとってイランからの石油調達は戦略的な決定だった。イランが厳しい制裁を課されていることから、中国はバレル8~14ドルと大幅な値引き価格でイランから石油を買えた。加えて人民元で支払うことも多く、中国は世界のエネルギー市場における米ドルの影響力の縮小を図ることもできた。

 両国は2021年に25カ年包括的戦略パートナーシップ協定を結んだが、推定 4000億ドルの投資の多くは「一帯一路」計画と結びついている。同計画は港湾・鉄道・エネルギー回廊の世界的ネットワークを築いてアジア・欧州・アフリカ・中東を繋ぐと共に、中国の影響力拡大を狙うもので、イランはこうしたネットワークの十字路に位置する。

 今回の戦争は中・イラン間の軍事協力も露わにした。昨年、米国はロケット燃料等、イランの弾道ミサイルに使われる原料を供給した中国とイランの企業・団体に制裁を課した。専門家はイランが中国からミサイル数百個を作る原料を得たと報告した。


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