2026年3月17日(火)

チャイナ・ウォッチャーの視点

2026年3月17日

 中国では、3月5日~12日に第14期全国人民代表大会第4回会議(以下、全人代)が開催された。本稿執筆時点において公表されている『政府活動報告』(李強首相)(以下、政府活動報告)、『2025年度国民経済・社会発展計画執行状況と2026年度国民経済社会発展計画案についての報告』(国家発展改革委員会)(以下、26年度計画)などに基づいて、今後の中国経済の展望を試みたい。なお、全人代では『国民経済社会発展第15次五カ年規画綱要(草案)』(26~30年)(「規画」は長期的計画・展望を意味する中国語、以下、15・5計画)も公表されている。

(ロイター/アフロ)

成長率目標引き下げの背景

 政府活動報告では、26年の国内総生産(GDP)成長率目標を「4.5~5%」に引き下げた。これは容易には克服できない経済の下押し要因を考慮した調整であることは間違いないであろう。ただし、「35年までに一人当りGDPを中等先進国レベル(2万ドル程度)」に引き上げる」との中期目標を達成するために必要な26~35年の成長が約4%であることと矛盾せず、大きな方針転換がなされたわけではない。

 注目されるのは、「一般物価水準をマイナスからプラスに転じさせる」としてデフレ克服が明言されたことである。26年1月5日の本コラム『中国経済はデフレスパイラルの兆候、「内需拡大」を強調する習近平、第15次五カ年計画を展望する』で論じたように、経済は2年間にわたってデフレ傾向にある。

 内需が弱いにもかかわらず、経済成長率目標が高いため企業や地方政府が過剰投資を続け、結果として「内巻」(過度な国内競争)を招き、物価が下落したことは明らかである。今後はこの悪循環を断つべく、過剰投資、過剰生産が抑制され、さらにはその結果である過剰輸出を抑制するための措置がとられることが予想される。


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