2026年4月10日(金)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2026年4月10日

 なお、トランプ政権になってから、トランプが「台湾は軍事予算をより多く負担すべきである」とか、台湾人は、対米国投資などを通して「米国人の仕事を奪った」などと発言したことがあり、台湾の人々から見て、いざというとき米国は台湾を助けてくれるのかどうかという懐疑的議論が惹き起こされた。

「400億ドルの防衛予算捻出は困難ではない」

 台湾の頼清徳総統は、3月14日、「台湾総統選挙開始30年」を記念するシンポジウムで講演した。その中で、「台湾の歴史において、いかに中国から圧力や脅迫を受けても、台湾の民主主義は後戻りしない」と強調した。頼は、トランプ発言の意図に留意しながら、「台湾経済がいま急成長していることを踏まえれば、400億ドルの防衛予算を捻出することは困難ではない」との趣旨を述べている。

 高度な半導体の主要生産地である台湾は、人工知能(AI)の需要に支えられ、急成長を遂げている。25年の経済成長率は過去15年間で最高を記録した。米国との約90億ドルの武器取引に署名することとなったと頼は述べた。

 ところで、日本との関係では、昨年11月7日、高市早苗首相は衆議院予算委員会で「台湾有事」に言及し、日本にとって「台湾有事」は集団的自衛権の発動を伴う「存立危機事態」になりうるものであるが、我が国を防衛するための自衛の武力行使に限られている、と発言した。その場合、「台湾有事」は「日本有事」となりうるとの見解は、安倍晋三元首相の発言を踏襲する内容のものとなっている。

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