連休が過ぎ、気温がぐんぐん上昇し、空が青々と晴れる5月半ばから6月上旬の梅雨前。関東から西の地方では、ゲンジボタルの季節を迎える。
活発に飛び回るオスのゲンジボタル。谷戸を探せばきっと会える(筆者撮影)
今回の旅は、「ホタル狩り」。ホタルは夏の虫だろう──。そう思う方には「夏休みにおばあちゃんの住む田舎でホタルを見た」などといったメディアのイメージがこびりついている。「最近野生のホタルを見たことがあるか?」と勤め先の大学で学生たちに聞いてみても、9割が「そもそも生きたホタルを見たことがない」。これが実態だ。
ところが、そんな首都圏の学生たちが暮らす「ご近所」に、野生のホタルは生息している。
今回は道具を使おう。国土地理院の「地図・空中写真・地理調査」サイトの「地図・空中写真閲覧サービス」では、全国あらゆる地域の戦前から現在までの詳細な空中写真を無料で閲覧できる。
これでかつてその土地がどう利用されていたかが分かる。終戦直後の1945年~50年代半ばの写真を選んでクリックすると、宅地や工場に開発される直前の風景が確認できるのだ。
探すべきは「谷戸田」だ。火山国・日本には、山や台地が水流に削られてできた小流域の谷=谷戸が無数にある。谷戸には水が流れ続けるため、50年代までの写真を見ると、全国の小流域源流の大半が田んぼ=谷戸田だったことが分かる。
ホタルはここに暮らしていた。幼虫の餌になる巻き貝のカワニナがたくさんいたからだ。カワニナは、日当たりの良いゆるやかな小川に暮らす。
