演出された友好ムードの中で習近平と会談した台湾の鄭麗文・国民党党首は、中台関係を内政問題とする中国の見方を受け入れた形になり、台湾分断工作に利用された、と2026年4月12日付 Taipei Times が批判している。
台湾の野党・国民党の鄭麗文党首(picture alliance/アフロ)
台湾の鄭麗文・国民党党首が中国を訪問し、北京の人民大会堂で習近平と会談した。冒頭、鄭は今回の訪中を歴史的出来事と呼び、習も国民党と中国共産党の歴史的関係を強調した。しかし、今回の会談は、台湾の有権者と鄭を党首とする国民党との関係にとって転換点となる可能性がある。
習はまず「10年の時を経て両党の指導者が会った」と述べた。鄭も「今日二つの党の指導者が10年ぶりにこの人民大会堂で会うことができた。今我々は世界の注目を浴びて、歴史の中で大きな責任を任されたと感じている。中台関係の今後の進路は我々が直面する共通の問題だ」と述べ、さらに、「百年以上になる両党の関係は良い時も悪い時もあった」と認めた。
確かに習も鄭も政党の党首ではあるが、習が今回の会談を党首同士の会談とすることを許したのは興味深い。習と中国共産党は、選挙で選ばれた台湾政府の代表とは10年も会うことを拒んできたが、これは当時の蔡英文総統が中台協議を行う前提として「1992年コンセンサス」を受け入れるのを拒んだからだとされている。
今回の会談が中国共産党と国民党の党首間のものだったことで、会談は92年よりずっと以前、両党が内戦を続けていた時代へと運ばれた。その意味で会談は歴史に関するものではあったが、歴史的な会談ではなかった。
