2026年1月2日(金)

トランプ2.0

2026年1月2日

不満をこぼしだした「MAGA」支持層

 「MAGAのひび割れ始まる」。去る11月末、電子版「ヤフー・ニュース」は著名政治評論家によるこんな見出しの解説記事を発信した。

 同記事は、「MAGA」支持者たちが不満や異議申し立ての対象としている現政権の具体的措置として、以下のような事例を挙げている:

1. ウクライナ和平交渉の米側当事者であるスティーブ・ウィトコフ中東担当特使がプーチン大統領側近に対トランプ“懐柔指南”をしていたことが暴露されるなど、トランプ政権のロシア寄り姿勢が目立ってきた

2. 大多数の国民にとって重大関心事である「オバマ・ケア(医療保険)助成措置」の3年間延長問題について、大統領は否定的態度を取り続け、その結果、民主党との対立を先鋭化させ、政府機関は43日間も閉鎖状態に追い込まれた

3. かつてトランプ氏とも親交があり、少女売春事件で起訴後死亡した米富豪ジェフリー・エプスタイン氏が保有していた「顧客リスト」などの関係ファイル取り扱合いをめぐり、ホワイトハウスや司法省が当初、隠蔽を図った

4. 海軍パイロットとして従軍し、元宇宙飛行士で超党派的に人望の厚いマーク・ケリー上院議員(民主、アリゾナ州)を過去の「反愛国的発言」を理由に刑事告発しようとした

 しかし今、MAGA支持層含め今や国民の最大関心事になりつつあるのが、日常生活上の「アフォーダビリティ(affordability、やり繰り)」問題だ。

 保守系世論調査機関のコンサルタントとして知られるマーク・ミッチェル氏は最近、「Fox News」とのインタビューで「トランプ政権の執政に対するMAGA支持層の不満は高まる一方であり、労働者が直面する食品などの物価高、生活費の高騰にあえいでいる状況に正面から向き合うべきだ」「大統領はノーベル賞欲しさに外交にばかり集中しているが、もっと庶民の懐具合に関心を示すべきだ」などと指摘した。

 去る12月中旬、共和党主導の連邦下院が民主党から提出された「医療保険助成措置3年間延長法案」について審議しないまま反古にした際、マイク・ローラー(ニューヨーク州)、ライアン・マッケンジー(ペンシルべニア州)ら共和党議員4人が造反して民主党と最後まで同一歩調をとったことも、異例の事態として大きく報じられた。

 また同月、共和党が多数を占めるインディアナ州議会が、中間選挙を有利にするために選挙区を強引に区割り書き換えした法案について、大統領の強い支持要請も無視して最終的に否決したことは、トランプ政権にとって少なからぬ痛手となった。

不満がくすぶる経済対策

 その後、こうした共和党陣営内の一連の不穏な動きを気にしたのか、トランプ氏はそれまで一笑に付してきた「やりくり問題」について言及せざるを得なくなった。

 去る12月18日には、歴代大統領が年に一度国民に語りかける重要演説「クリスマス・メッセージ」の大半を国内経済問題に割き、「民主党が争点にしている『アフォーダビリティ』はでっち上げに過ぎない」と酷評した上、「経済は実際にはみんなが思っている以上に強靭で健全だ」「問題があるとすれば、それはすべてバイデン前政権の遺産だ」などと開き直り自らの政策擁護に終始した。

 しかし、国民の大半はこうした大統領の言葉を信じておらず、AP通信が調査機関「NORC CENTER」と実施した最新の世論調査結果によると、同政権の経済政策を支持すると回答した人は全体の3分の1にとどまっている。


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