2026年2月12日(木)

日本人なら知っておきたい近現代史の焦点

2026年2月12日

 年に一度の音楽の祭典グラミー賞が2月1日、米国・ロサンゼルスで開催された。グラミー賞といえば、米国において最も権威のある音楽賞で、日本レコード大賞もグラミー賞をモデルとしていると言われている。これまでも有名な歌手がこぞって受賞してきており、近年では、ケンドリック・ラマー、テイラー・スウィフト、ビリー・アイリッシュらが主要部門を席巻している。

グラミー賞最優秀アルバム賞を受賞したバッド・バニー(AP/アフロ)

 四大ネットワークの一つCBSで放送されたそのグラミー賞の受賞式について、トランプ大統領が「最悪で見られたものじゃない」と嚙みついた。司会者を訴えることまで示唆している。何がそんなにトランプを怒らせたのか。

こぞって移民政策を批判

 まずもって理由として挙げられるのが、今年のグラミー賞の受賞者の多くがトランプ政権の移民取り締まり政策をあからさまに批判したことである。ビリー・アイリッシュ、ジャスティン・ビーバー、フィニアス・オコネル、ケラーニ、エイミー・アレンらアーティストは「ICE OUT (ICEは出て行け)」と書かれたバッジをつけて登場した。

 このバッジは、移民・関税捜査局(ICE)の移民取り締まりに衝撃を受けたエンターテインメント業界の関係者がアメリカ自由人権協会(ACLU)の協力を得て始めたものである。1月初旬に開催されたゴールデングローブ賞の授賞式で既に俳優マーク・ラファロや歌手アリアナ・グランデが同様のバッジを身に着けていたし、1月後半に開催されたサンダンス映画祭でも俳優のナタリー・ポートマンらが身に着けていた。

 グラミー賞授賞式では、バッジの有無にかかわらず多くの登壇者やインタビューを受けた人々が口々にICE批判を繰り返した。年間最優秀楽曲賞を受賞したビリー・アイリッシュは、「盗まれた土地に不法滞在している人は誰もいない」と、歴史的に先住民から奪ったアメリカという土地において、「不法」移民を取り締まるなんてことを誰が言えたものかとトランプ政権の移民取り締まり政策を批判した上で、最後に「ICEはクソくらえ、それが言いたいことのすべてです、(下品で)ごめんね」と付け足した。そしてその発言がものすごい喝采をうけると「ありがとう。信じられない」と感極まった様子だった。


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