2026年1月31日(土)

オトナの教養 週末の一冊

2026年1月31日

 今月のテーマは「アメリカ」です。揺らぎかけているとはいえ、世界の中心であるこの国への理解を深める一冊を選びました。

「今回は違う」?

ドル覇権が終わるとき インサイダーが見た 国際金融「激動の70年」
ケネス・ロゴフ(著)、
村井章子(訳)
日経BP 4400円(税込)

ドル覇権が終わるとき インサイダーが見た 国際金融「激動の70年」ケネス・ロゴフ(著)、村井章子(訳)日経BP 4400円(税込)

 ハーバード大学教授で国際通貨基金(IMF)チーフエコノミストを務め、日銀で研究員をしたことがある筆者はこう警鐘する。「ドルによる平和は永遠に続くという前提は、すぐにとは言わないが今後10年のうちに覆される可能性が高い」と。人は渦中にある間、「今回は違う」と思い込みがちだ。しかし、日本でも「デフレ」と言っていたが、インフレになり、利上げが行われても、円安基調が是正される気配はない。これから何が起こるのか、歴史を真摯に学ぶ必要がある。

中東戦略の意図

アメリカの中東戦略とはなにか 石油・戦争・同盟
溝渕正季
慶應義塾大学出版会
2970円(税込)

アメリカの中東戦略とはなにか 石油・戦争・同盟 溝渕正季 慶應義塾大学出版会 2970円(税込)

 第二次世界大戦以降、米国は中東を重要な地域の一つと捉えてきた。主な目的は、石油資源の安定確保、イスラエルの安全保障、そして敵対勢力の封じ込めのためだ。アフガニスタン紛争などの「対テロ戦争」を中心に膨大な資源を中東に捧げたが、米国が得られたものは少なく、オバマ政権の頃から次第に中東離れが始まった。「リベラル国際秩序」を掲げながら軍事化を進める「非リベラルな姿勢」を貫く米国への反感があったのは言うまでもない。


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