大腸ガンの肺への転移と再手術の告知を受けて、私は深い静寂の中に立っている。身体は過去の大手術の傷跡を留めながら、新たな挑戦へ向かう準備をしている。心は未だに嵐を抱えている。ステージ4大腸がんからの再戦、それは私にとって、闘いというより、永続する問いと化している。
──この局面で、どうすれば平常心を保つことができるのか。
──不安の波を過度に大きくせず、むしろ力に変えることは可能なのか。
冬の京都・鴨川(FanPro/gettyimages)
「不安」は敵か、先導者か
人は誰しも未知への恐れを抱く。手術前夜、不安感は波紋のように広がる。眠りは浅く、呼吸は乱れ、遠くの景色は霞んで見える。だが私はある考えに至った。不安は敵ではない。むしろ、内なる感性を研ぎ澄ませるサインだ。それは自分自身と深く対話し、問いを明確化するための「静かな灯火」なのだ。不安があるからこそ、人は自らに問いかける。
「私は何を恐れているのか?」
「本当の願いは何なのか?」
この問いへの答えが、平常心という城壁を築く材料になる。
