米国議会において大統領による恒例の一般教書演説が2月24日夜、行われた。1年前の2期目最初の一般教書演説は、大きな反響を巻き起こしたが、今年の演説は予想通りいつものトランプ独演会だったということで、演説時間がこれまで最長の1時間47分ほどであるということを除けば、終了後のメディアの取り上げ方も昨年ほどの大きな反響はなかったようにみえる。トランプ演説の「魅力」の一つである原稿からの脱線が今回は少なかったのも耳目を集めなかった原因の一つだろう。
2期目最初の一般教書演説だった昨年は、前政権の演説とは大きく異なったスタイルであり、議場の野党民主党の議員の多くが「誤り」、「公的医療保険制度を救え」などと書かれたクイズ番組の回答プレートのようなものを持っているなど前代未聞の様相を呈し、また不規則発言が多いなど、見る者に強烈な印象を与えるものだった。
今年の演説は、予想通り「歴史に残る大転換」を達成したと自画自賛することで始まる独演会で、「歴史に残る」「見たこともない」「記録的な」といった言葉がちりばめられていた。「我々の国は復活し、これまでにないほどより大きく、よりよく、より豊かでより強く」なっていると述べた上で、ガソリン価格をはじめとする物価はトランプ政権のもとで下がっていると、就任1年目の記者会見で述べたことを繰り返した。
注目された「語られなかったこと」
昨年の演説に比べて議員による不規則発言や抗議の示威は大幅に少なかったが、なかったわけではない。アル・グリーン下院議員は、先日のオバマ夫妻を猿に見立てたトランプの投稿に抗議して「黒人は猿ではない」というプラカードを掲げたが、多くのトランプ支持者が「U.S.A. U.S.A.」と連呼する中、退席させられた。ラシダ・タリーブ下院議員は、8個の戦争を終わらせたとトランプが発言すると「それは嘘だ。何を言っているんだ」と述べた。
トランプが演説で語ったことではなく、語らなかったことにむしろ注目は集まった。エプスタインファイルには一切触れなかったため、「私ほど米国の子供たちを守ることに関して真剣に取り組んでいるものはいない」と発言した際には、「なら、エプスタインファイルを出せ」とヤジが飛んだ。
