2026年5月19日(火)

食の「危険」情報の真実

2026年5月19日

 高級魚「ノドクロ」の完全養殖に近畿大学が世界で初めて成功するなど、日本での魚の養殖技術開発が進んでいる。世界的な人口増加や食の近代化が進む中で、重要な技術として注目され得る。

(paprikaworks/gettyimages)

 肉に比べて高価格であること、調理や片付けが面倒なことなどから、若者を中心に日本人の「魚離れ」が指摘されているが、世界的に見ると日本人の魚の消費は多い。栄養素の観点から見ても、タンパク源だけでない健康維持のための食材として価値は高い。ただ、魚の養殖の実情を見てみると、牛や豚、鶏の畜産のように全てを人の手による飼育でまかなうことは難しいようだ。

 魚食をめぐる需要と供給、消費者の意識、海洋資源のこれからについて考えてみたい。

日本人の魚食は減っている?

 2025年度(令和7年度)水産物消費嗜好動向調査(20~79歳 N=1200人)によると、この10年で週に1回以上魚(加工品)を食べる人は68.5%から60.8%に低下した。生鮮野菜を週に1回以上摂取する人が88.2%で、肉類(生鮮)は79.4%、肉類(加工品)は70.9%からみると、魚食そのものの摂取頻度が低いことがわかる。

 年代や世帯環境別に見ると、シニア層(60歳以上男女)の70.9%や中学生以下の子がいる20~40代女性の62.6%が平均よりも高いのに対し、中学生以下の子がいない20~30代男女は53.8%と低い。10年前と比較しても、シニア層が1.8ポイントの微増、中学生以下の子がいる20~40代女性が3.1ポイントの減少に対し、中学生以下の子がいない20~30代男女は11ポイントと大きく減らしている。

 ただし、こうした数字の傾向は、世界各国と比べるとまた違って見えてくる。国際的な非営利団 体MSC(海洋管理協議会)が、世界23カ国2万7000人を対象とした「MSC消費者調査レポート」によると、週2回以上食べると回答した消費者の割合はポルトガルが1位(49%)で、2位が日本(45%)、3位がスペイン(43%)だった。

 日本人にとって魚はいまだに重要性の高い食べ物と言えそうだ。


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