ゲノム編集食品の実用化で実は世界のトップを走る日本。これまでに10品目のゲノム編集食品が国に届け出られ、スーパーで販売される食品も出てきた。
その一方で、市民団体の反対運動があり、戸惑いを見せる事業者もいるようだ。世界では、ゲノム編集食品の開発が進められ、続々と新たな作物の発表がされている。
反対運動の影響もあり、日本の開発スピードが落ちており、このままでは、世界に追いつかれ、追い越される可能性も出てきている。今後、日本のゲノム編集食品はどうなるのか。
レストランで提供
国会議事堂のある東京永田町に隣接する平河町に、ゲノム編集トマトを提供するイタリア料理レストラン「エノテカドォーロ平河町店」がある。店に入ると壁に大きな看板があり、「シシリアンルージュ ハイギャバ 最新技術ゲノム編集で品種改良されたトマト 血圧降下やリラックス効果がある『GABA』が4~5倍に高められた注目のトマトです・・」とある。
このトマトは、筑波大学発ベンチャー企業「サナテックライフサイエンス」(東京)が開発した。2022年12月に「高めの血圧を下げる」や「ストレスを緩和する」など4つの機能性を表示できる機能性表示食品(消費者庁所管)にもなったヘルシートマトだ。GABA(ギャバ)はアミノ酸の一種で血圧上昇を抑える効果などがある。同店では、ピザや野菜サラダなどに同トマトを使っている。レストランでゲノム編集食品の料理を常時、提供している店はおそらく全国でここだけだろう。
それを象徴するかのように昨年12月1日、この店でNPO法人「くらしとバイオプラザ21」が主催して、ゲノム編集食品をみなで食べるランチ会が行われた。ゲノム編集食品の開発事業者や消費者団体、メディア関係者など約40人が参加した。
提供されたゲノム編集食品は同トマトのほか、可食部の多い肉厚のマダイ、成長が速いトラフグとヒラメ、小さいジャガイモの計5品目。マダイやトラフグ、ヒラメはベンチャー企業「リージョナルフィッシュ」(京都市)が開発した。小さいジャガイモは米国のシンプロット社が開発したもので、日本では流通していないが、米国では調理しやすいため、レストランなどで人気だという。
