都市化、核家族化するベトナム社会
11月20日。ベトナム東北部のカオバンのホステルのオーナーの40代の女将と世間話をしていた。彼女によると現代のベトナムでは子ども2人が一般的とのこと。彼女も中学生と小学生の2人の子どもがいる。ベトナム戦争当時共産党政府は対フランス独立戦争以来続く長期的な戦争遂行のため“産めよ増やせよ”と多産を奨励しており子どもが5~6人いる家族がフツウであったとのこと。
ベトナムは半世紀前には農業国家であり農村人口が80%であったが、現在では60%に低下している。都市人口は逆に20%から40%に増加。ちなみに産業別就業人口では第一次産業が12%である。ベトナム社会も急速な都市化と核家族化が進行していることは統計上からも明らかである。
筆者が11年前にベトナムの高原リゾートのダラットでホステルの女将から聞いた話では、当時すでにベトナムでは都市化と核家族化が進み、女性の就業機会が増加した結果として、離婚率が急上昇しているとのことだった。女将自身も怠け者の旦那に愛想をつかして幼い娘を抱えて離婚し、実家の建物を改装してホステルを開業したという経歴であった。やはり少子化と離婚率の上昇は経済成長と顕著な相関関係があるようだ。
社会主義国家ベトナムでは『幼稚園(プレ・スクール)は義務教育』
ベトナムでは共働き世帯のために託児所や保育園のような就学前幼児を預かる私営施設が至る所にある。さらにプレ・スクールと呼ばれている施設の整った立派な公立幼稚園がどこの町にもある。
午前7時半頃には保育園・幼稚園の入口には子どもをバイクに乗せた親がやってきて子どもを預ける。いわゆるママチャリはベトナムではほとんど見かけない。バイクでの送り迎えが一般的である。
11月20日。北部の地方都市カオバンの住宅街の幼稚園は鉄筋コンクリート3階建の立派な施設だった。通りかかった高校生3人組に聞くと、公立幼稚園で5年前に開園したという。ネットで調べたら、2020年に教育法が改正されて5歳児から就学前の1年間を義務教育にしたので、公立幼稚園が急速に整備されたようだ。カオバンの当該幼稚園も2020年設立だ。
高校生によると、ベトナムでは共働き世帯がフツウなので、幼児を私営の託児所や保育園に預ける。ベトナム社会が都市化して核家族が一般的になり、祖父母が孫の面倒を見ることがなくなり受け皿としての託児所・保育園・幼稚園が必須となった。政府は先ず5歳児からの幼稚園教育を義務教育化したということらしい。
さらに高校生によると、将来は3歳児からの幼児教育を義務教育とすることも検討されている模様である。社会主義国家らしいと思った。中国では改革開放政策初期には人民公社や国営会社には、必ず無料の託児所兼保育園が設置されていたことを思い出した。
