幼稚園正門前の掲示板を見ると、カオバン市内の給食センターで調理された給食を昼食として提供している。授業内容は日本の幼稚園と同様のようだ。掲示板に広い園庭で模擬交通信号などを使って交通ルールを教えている写真があった。そして教室でアルファベットを教えている写真もあった。
小学校の門前の“駄菓子屋”と“赤いスカーフ”
11月19日。カオバン市街地中心部にある小学校に立ち寄った。3時半頃でちょうど下校時間だったらしく、小学校に通じる路地は子どもを迎えに来た親たちのバイクで大混雑だった。
ちなみにベトナムでは児童・生徒が午前中の休み時間や昼食時や下校途中にお菓子や軽食を買うことが習慣になっており、小学校・中学校・高校の周辺には門前町のように駄菓子屋・パン屋が文房具屋と一緒に軒を連ねている。
鉄筋コンクリート4階建ての校舎が2棟あり、中央の壁にはホーチミンが小学生の少女の首に“赤いスカーフ”を結んであげている姿が描かれている。ホーチミンが少年少女の首に赤いスカーフを結んでいる大きな壁画はベトナムのほとんどの小中学校にある。
赤いスカーフは栄光ある共産主義のシンボルとしてソ連の共産主義少年団(ピオネール)が付けていた。文化大革命時代の中国の紅衛兵のシンボルも赤いスカーフだった。その栄えある共産主義のシンボルが現代のベトナムの少年少女にも集団規範として継承されているのだ。おそらく大半の子どもたちは“赤いスカーフ”の歴史的背景や政治的意図を全く意識していないだろうが、“赤いスカーフ”は間違いなく社会主義国家ベトナムの洗脳教育の一環であろう。
ベトナムの小学校でも先進国同様にITと英語は必修
小学校の校庭で写真を撮っていたら子どもたちが集まって来て大騒ぎになったので、校舎の二2階に避難した。それぞれの机の上にパソコンが置いてあるIT教室で若い女性が後片付けをしていた。IT教育の専任教師であった。小学校のカリキュラムでは、全学年で週1コマがIT教育に割り当てられているという。全校生徒1500人の当該小学校でIT専任教師は1人だけなので彼女にとり超過密スケジュールであると嘆いた。
そのあと5年生の児童に案内されて校長室を訪問。女性校長は英語が苦手とのことで児童に英語教師と副校長を呼びに行かせた。こうして校長室で校長、副校長、英語教師の3人で懇談することになった。
校長室には贈り物の花が沢山飾られていた。翌日が“先生の日”(Teachers’Day)なので学区の近隣の銀行や商店から贈られたようだ。小学校は1年から5年まで全校生徒約1500人、1学年約300人で7クラスあり学校全体で35クラス。平均すると1クラス43人。ベトナムでは1クラス43人は平均的な人数のようだ。現在の日本では1クラス30人以下としているのに比較すると、やはりベトナムは子ども数が多いが、60年前の日本では1クラス50人がフツウであったことを考えれば43人でも教育効果面では問題ないのだろう。
英語は1週間に4コマであり政府方針に従い重点を置いていると強調していたことが印象的だった。
