今や世界の造船の5~7割を占める中国の造船業。日本や韓国を大きく引き離している。
この現状の分析と米日韓が協力してどう対処すべきかなどを分析した「Ship Wars」の共著の一人である、米戦略国際問題研究所(CSIS)中国向けプロジェクトのシニアフェローであるマシュー・P・フナイオレ氏に聞いた。
「Ship Wars」は現地調査やオンラインでの情報収集、識者の意見などを総合して中国造船業の脅威についてまとめた報告書である。
この中では中国造船所を4つのリスクレベルに応じて分類している。
まず、最高リスクに分類されるTier1は、軍民両用の造船所で、衛星写真によると民間船のすぐ隣で駆逐艦や空母が建造されている。これらは世界最大の造船企業「中国船舶集団(CSSC)」の傘下にある。
Tier2はCSSC傘下ではあるが、主に民間船を建造する部門である。ここでの収益が中国海軍の基盤を支えている。
というのも、CSSCの防衛関連の収益は全体のわずか23%であり、残りを民間の商船、特に外国からの受注が7割を占めている。この外国企業からの資金が、重複が多く固定費がかさむ中国造船会社にとって「補助金」になっている。
Tier3はCSSC以外の中国国営企業、Tier4は民間企業となる。
これら4つの分類からなる中国造船業が、現在では世界の造船の5~7割を占める巨大産業となっている。その大きな要因の一つが、中国の技術力の向上だ。
かつて中国製品は、価格は安いが質が悪い、というのが定評だったが、現在では空母や大型クルーズ船、LNG(液化天然ガス)船など高度な船舶を建造できるレベルに達している。特にLNG船はかつて韓国が圧倒的なシェアを持っていたが、中国が追い上げている。

