2026年4月24日(金)

World Energy Watch

2026年4月24日

 長期化するイラン戦争は、自動車や航空機の部品や食料品の包装・容器に使われるアルミニウムの供給も不安定にしている。湾岸諸国は世界的にも主要なアルミニウム生産・輸出地域で、ホルムズ海峡が事実上封鎖状態に陥ったことで輸送ができず、イランの報復攻撃がアルミニウム製錬所にまで及んでいることから、生産もままならない状況だ。

(Михаил Руденко/gettyimages)

 かつてアルミニウムの生産国であった日本も、今では湾岸諸国からの輸入に頼る状態。今後、産業や生活への影響も懸念される。

長期化するホルムズ海峡の封鎖

 イランが同海峡を通航しようとする船舶への攻撃を示唆したことで、海上保険会社が湾岸地域を航行する船舶への戦争リスク補償の引き受けを停止している。同海峡を通過する船舶数は、イラン攻撃前日の2月27 日には95隻だったが、3月1日には7隻まで大幅に減少し、それ以降も10隻前後で推移している(出所:IMF PortWatch)。

 その後、ニュースサイト「Axios」は、米国がイランにホルムズ海峡をすべての船舶に開放させるよう圧力をかけるため、同国の主要な石油輸出拠点であるカーグ(ハールグ)島の占領計画を検討していると報じた。これを受け、イラン最高国防会議は3月23日、イラン南部の沿岸部や島々が攻撃された場合、ペルシャ湾の航路に機雷を敷設し、海上交通を大きく妨害すると警告した。

 4月18日、ホルムズ海峡は約50日間の封鎖を経て一時的に再開され、十数隻のタンカーが通過したと報じられた。イラン側は、交渉の結果として限定的に通航を認めたと説明している。ただ、西側の船会社は機雷の危険や安全確保の不透明さを懸念して慎重な姿勢を崩しておらず、全面的な再開には至っていない。

 こうした中、米国はホルムズ海峡の再開を迫るため、4月13日にイランの港湾・沿岸部の封鎖を開始し、違反船は排除すると警告した。4月13~18日の期間に23隻を引き返させた後、19日には封鎖突破を図ったイラン船「トウスカ」を攻撃し、拿捕した。これにイランが強く反発していることから、ホルムズ海峡の封鎖がさらに長期化する可能性が高まっている。


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