2026年3月26日(木)

World Energy Watch

2026年3月26日

 米国とイスラエルがイランへ奇襲攻撃を行って以後、イランはペルシャ湾岸地域での軍事行動を一段と活発化させている。特に中東の主要産油国であり世界経済とのハブともされるアラブ首長国連邦(UAE)を執拗に狙い、エネルギー供給はじめ経済活動を阻害する。

イランから攻撃を受けUAEでは、石油プラントでも火災が起こる(AP/アフロ)

 これに対しフランスや韓国がUAEの防衛へ一定の役割を果たしている。両国は2000年代よりUAEとの関係を発展させ、主要なエネルギー源としてきたためだ。中東にエネルギー資源を大きく依存する日本は、注視すべき動向である。

イランの標的となるUAE

 UAE国防省はイラン攻撃の開始から3月20日までの間、イランから飛来した弾道ミサイル338発、巡航ミサイル15発、ドローン機1740機を迎撃したと発表した。

 イランの攻撃対象は、米軍や仏軍が駐留する首都アブダビ首長国のザフラ空軍基地や、英国軍やオーストラリア軍が拠点を置くドバイ首長国のミンハド空軍基地にとどまらず、空港や住宅、データセンター、エネルギー施設などにも広がっている。

 特にUAE東部の港町フジャイラでは、攻撃が複数回発生し、石油貯蔵施設が損傷した。ホルムズ海峡のインド洋側に位置するフジャイラ港は、アブダビ首長国の油田地帯ハブシャーンと原油パイプラインで結ばれている。このため、同海峡が事実上封鎖される中、同港はUAEの原油輸出にとって生命線となっている。

 イランがUAEを執拗に狙うのは、UAEを攻撃することで、米国への圧力を強めると同時に、世界のエネルギー供給や国際金融市場、企業活動に大きな混乱を与えられるとみているためである。UAEは、中東だけでなく世界にも影響を及ぼし得る重要な拠点であり、金融、物流、航空の分野で地域間を結ぶ役割を果たしてきた。イランには、こうしたUAEの安全性と信頼性を揺るがす狙いがある。


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