またUAEは20年に、イスラエルとの関係正常化を目的とする「アブラハム合意」に加わった国でもある。これを契機として、UAEはイスラエルとの防衛協力を拡大し、イスラエル製の防空システム「バラク」も配備してきた。
UAEの防衛に貢献するフランスと韓国
イランからの攻撃は現在、UAEのみならず中東全域に拡大しており、米軍だけで中東の友好国を完全に防衛することは困難となっている。こうした中、フランスの動向が注目される。フランスのマクロン大統領はイラン情勢を受け、原子力空母「シャルル・ド・ゴール」を東地中海に派遣したものの、現時点では米国・イスラエルによる対イラン軍事作戦への参加を否定している。
一方、フランスは、イランの攻撃にさらされるクウェート、カタール、UAEの3カ国と防衛協定を締結している。3月1日には、UAEのザーイド港にある仏軍基地の格納庫がイランのドローン攻撃を受けた。
こうした事態を受け、フランスのバロ欧州・外相は3月3日、仏ニュース専門局「BFM TV」で、UAEにある仏軍基地の上空において、安全確保のための防空作戦を実施したことを明らかにした。また、フランスはパートナー国から要請があれば、国際法上の集団的自衛権に基づき、これらの国々を防衛する用意があることも強調した。
その後、フランスは、UAEのザフラ空軍基地に配備していたラファール戦闘機を12機体制に増強して「空中警戒任務」を遂行するとともに、本国から複数の地対空防衛システムを追加配備することで、UAEの防空能力を強化した。『ラ・トリビューン』の3月20日付記事によれば、フランス軍はこれまでに、空対空ミサイル「MICA」などを用いて、イラン製ドローン60機を撃墜したとされる。
またUAEの防衛では、韓国製の地対空迎撃システム「天弓2」も一定の役割を果たしているとみられる。UAEは2022年、韓国の防衛企業LIG Nex1、ハンファシステムズ、ハンファエアロスペースと、天弓2を10基導入する総額35億ドルの契約を結んだ。これまでに、そのうち2基が配備されている。
今回のイランによる攻撃に対しても、天弓2は米国製やイスラエル製の迎撃システムとともに運用されている。『コリア・タイムズ』によれば、実戦でその高い迎撃成功率が示されたことを受け、UAEは韓国に対し、残るシステムの早期納入と迎撃ミサイルの優先供給を求めているとみられる。
