2026年5月25日(月)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2026年5月25日

 2026年5月5日付 ニューヨーク・タイムズは、「ソ連でない米中共通の敵」とのトーマス・フリードマンの論説を掲げ、来る米中首脳会談で共通の敵である「自律型AI」への共同対処を決められれば、共通の敵ソ連に対処し米中協力を実現したニクソン・毛会談のように歴史に残る会談になると指摘している。

(Thinkhubstudio/gettyimages)

 トランプ習会談は、ニクソン・毛以来最重要の首脳会談になり得る。ニクソン・毛会談は共通の脅威ソ連に対処した。今回の首脳会談も、米中が共通の脅威に直面する中で行われる。

 最新AIには恐るべきサイバー攻撃能力があり、米中は悪意によるAI使用への防御を共創すべきだ。ニクソン・毛会談以降の劇的変革は2つある。

 第一は非対称的自律型AIの登場だ。これは、悪意を持つ強い小主体を生む。ラップトップを持つ2人が洞窟の中から世界中の重要インフラを攻撃できるのだ。

 第二はグローバリゼーションだ。21世紀初頭には中国の世界貿易機関(WTO)加盟とインターネットで、多数が安価に競争し協働することが可能になった。変革はさらに加速し、世界は融合した。インターネット、スマートフォン等の発展で、我々が技術的に融合されているからだけでなく、地球規模課題が我々の運命を従来以上に融合させている。

 挑戦は大規模で、どんな国も一国では対応できない。気候変動、移民、感染症等に加え、最重要で緊急の課題は、最新AIの管理だ。AIのサイバー攻撃能力への対処は待ったなしだ。

 ムンディ前マイクロソフト研究戦略部長曰く、米中両国は長年の競争で、中国が米国の電源を切れば米国も中国の電源を切ると知っている。米中はサイバーで核兵器と同じMAD(相互確証破壊)を作り出した。しかし、アンソロピックとOpen AIが最近発表した自律型AIは、米中双方の潜在的脅威だ。


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