2026年5月21日(木)

トランプ2.0

2026年5月21日

 トランプ大統領は、5月13日に北京に到着し、習近平国家主席と5月14日から15日にかけて米中首脳会談を行った。歓待される様子や晩餐会の模様は米国内でも大きく報じられた。

(代表撮影/ロイター/アフロ)

 関税などの経済問題やイラン問題、そして台湾問題など、様々な議題が話し合われるとされていたが、多くの米国民が期待したのは、ホルムズ海峡に再び平和が訪れ、ガソリン価格をはじめとする物価が大きく下がることではなかっただろうか。

党派で分かれた評価

 今回の会談の成果についての評価は、いつものごとく党派によって大きく分かれていた。共和党支持者はどれだけの実利を得たかといった「ディール」に注目する傾向が強く、ボーイング機購入の約束などを評価した。一方、民主党支持者には、民主主義の価値観を重視する立場から台湾の安全に注目したものが多く、トランプの態度に不満を持つ傾向が強かった。

 メディアにおいても評価の違いは鮮明であった。会談一日目の晩餐会直前に現地の北京でショーン・ハニティーが大統領を一対一でインタビューするという機会を得たトランプ寄りのFox Newsは、トランプ自身に米中首脳会談における成果を語らせる形でトランプに寄り添った。

 インタビューの冒頭、開口一番、「すごい!赤じゅうたんでしたね」「オバマが行ったときはこうじゃなかった」とトランプを持ち上げた。多くの番組が眉をひそめた習近平に対する過度な称賛についても一切突っ込まず、保守派は、このインタビューによってトランプがより尊敬を集め、また、トランプが米国に利益をもたらす経済合意を結ぶ能力を示したとした。

 時にハニティーがトランプにとって答えにくい質問をする場面もあったが、直接切り込まず、「民主党関係者にはこのように言っている人もいますが」と、もって回った言い方をしていたのが印象的だった。トランプ本人や視聴者の多くを占めるMAGA派に嫌われるわけにはいかないが、ジャーナリストとして追従だけしているわけにもいかないという難しい立場がそこには表れていた。


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