2026年5月21日(木)

トランプ2.0

2026年5月21日

 Fox系の別の番組はより称賛的であった。日曜朝の番組Fox & Friends Weekendでは、両端にトランプと習近平の写真が写し出された巨大な横長のパネルが用意され、成果として、「エンジンとボーイングの飛行機」、「農産物」、「貿易と関税」の三項目に400~450のエンジンと飛行機200機、100億ドルの農産物、300億ドルの製品の関税見直しといった景気の良い数字が並んでした。ゲストとしてはトランプに任命されたパデュー駐中国大使が出演し、当然のごとくトランプの会談での成果を褒めたたえた。

 一方、CNNやニューヨークタイムズといった常日頃からトランプに批判的なメディアは、派手なおもてなしの裏で、実質的成果は少なく、「見せかけの成功」であり、台湾問題に至っては、中国の圧力に屈したと批判した。ボーイング機やゼネラル・エレクトリック(GE)のエンジンの購入の約束も、何の拘束力もないもので、どうなるかはわからないとした。大豆の購入に至っては、関税騒動の前まではもともと中国は米国から大量の大豆を購入していたのを、トランプ関税のせいで中断していたのであり、それを回復するだけで成果と呼ぶのはマッチポンプのようだというものもあった。

まるで「リゾート会員権の勧誘で負けた男」

 トランプの機嫌を損ねて、何度も番組打ち切りを迫られてきたジミー・キンメルは、またしても自分のナイトショーでトランプを揶揄した。キンメルによれば、トランプは「征服する皇帝のような威光を放つと約束して北京を訪れた」ものの、帰ってきた姿は、まるで「リゾート会員権の勧誘で負けた男」のようだったとした。

 中国でトランプは、「大きな進展も、歴史的な貿易上の勝利も、イラン問題に関する明確な答えも」、何も得られなかった。トランプが手に入れたのは「バラの種」だけだったと述べた。

 このバラの種というのは、中国の政治の中枢である中南海を案内された時に、バラを褒めたトランプに習主席が送ったものである。今回の旅で手にした予想外の成果であると言えるかもしれないこのバラの種について、キンメルは、芝をはがして改修してしまったホワイトハウスのローズガーデンにまだ植える場所があれば植えればというつもりでくれたんだろうと述べた。「バラの種と大豆についてのあいまない約束」だけもって帰ってきた「魔法使い」だというのである。

 キンメルは北京滞在中の姿についても、トランプは聴衆が喝采してくれる米国内の集会では、中国について強気に語るが、北京では「ホストファミリーに好かれたいと望む世界一高齢の交換留学生」に見えたと、その内弁慶な姿勢を揶揄した。


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