贈り物を捨てて帰るのを目の当たりにするのはあげた側からすればあまり感じの良いものではない。それが公にされるままにしたところに、トランプ政権の、国内向けに成果を誇るのとは別の、今回の首脳会談に対する本音が見えているような気がする。1980年代にシカゴの再開発コンペで負けたとき、トランプが審査員に怒鳴り散らし、書類を乱暴にまとめて、威圧するような態度で部屋を後にしたエピソードを思い起こさせる。
中国の歓待ぶりは?
では中国側はどうだったのか。中国側は最初から冷めており、トランプの訪問に対する敬意が欠けているように見える場面すらあった。
トランプが到着した日の政府系英字紙『チャイナ・デイリー』の一面は、でかでかと習近平主席とタジキスタンのラフモン大統領が握手する写真を掲載しており、米中会談についてはその脇に小さく報じられていたのみであった。また、空港にエアフォースワンを出迎えたのは、韓正国家副主席で、形式上はナンバーツーとされているものの、政治局常務委員には入っていない人物で、熱烈歓迎とは言えないのは明らかであった。また、米中会談終了直後にプーチン大統領を北京に呼ぶと発表し、歓待されるのはあなただけではないと示唆したのみならず、王毅外相がプーチンを空港で出迎え、習近平が握手の際にもう一方の手をプーチンの肘に添えたことを見ても中国側の意向は推して知るべしである。
トランプと習近平の二回の米中首脳会談の違いから二大国の関係性が短期間に大きく変わりつつあるのが感じられる。それがアメリカの衰えによるものなのか、トランプの衰えなのか、中国の勃興なのか。
いずれにせよ、17年から比べても中国の力が増し、米国大統領もそれを認めざるをえない状態になっていることが示されていた。世界が考えているよりも速いスピードで国際関係が大きく中国寄りにシフトしつつあるのを見せつけた会談だったのではないだろうか。
