2026年3月23日(月)

21世紀の安全保障論

2026年3月23日

 高市早苗首相とトランプ米大統領との首脳会談は、米国の建国250年を祝して日本が寄贈した桜の苗木を挟んで2人が笑顔で並び、会談後の夕食会では、首相自らトランプ氏を「最強のバディ(相棒)だと確信している」と持ち上げるなど、政府関係者からは「素晴らしい展開だった」といった安堵の声が広がっている。

(首相官邸HPより)

 米国とイスラエルによるイラン攻撃で、中東情勢が極度に緊迫する情勢の中で行われた今回の首脳会談。事実上封鎖されたホルムズ海峡に、タンカーなどの商船警護のために自衛隊の艦艇を派遣するようトランプ氏から強く求められるのではないか――が、首脳会談の焦点であり、政府にとって最大の懸念でもあった。

 訪米前の国会で、高市首相は「法律に従って、できることはできる、できないことはできないとしっかり伝える」と答弁した通り、首脳会談でも、戦闘が続く中での自衛隊の艦艇派遣は法的制約が多いという日本の実情を説明した。首脳同士の問答について、高市氏は「機微なやり取りだ」として明言を避けたが、説明を聞いたトランプ氏が、艦艇派遣を重ねて要求することはなかったという。

 同盟国としての懸念はひとまず和らいだわけだが、エネルギーや食料など資源の多くを海外、しかも海上輸送に依存する日本にとって、根源的な問題、すなわち「海外で危機が発生した時、日本のタンカーを誰が守るのか」という問いへの答えは早急に出さなければならない。それはホルムズ海峡だけで発生する危機ではないからだ。


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