【編集部注・24年4月、CSSCはカタールの国営企業から18隻のLNG船を受注した】
ロボット産業でも目覚ましい進歩を遂げている中国では、製造工程に多くの先端技術を導入している。生産ラインでのロボット溶接、塗装ロボット、完成品へのAI検査などが実施されており、生産の効率化と低コスト化が可能となった。労働コストと合わせると中国の造船業は価格面で他国の追随を許さない地位を獲得している。
自動運転車でも世界をリードする中国は、船舶における自律運航船でも実績を持つとされる。
【編集部注・中国メディアの報道によれば、今年2月に、コンテナ船「智飛」が「無人自律航行モード」で山東省青島港に正確に停泊した。
一方、日本では日本財団などが中心となって無人運航船プロジェクト「MEGURI2040」が進められている。今年1月、コンテナ船「げんぶ」の自動運航実証実験が完了し、日本海事協会による認証を取得し、国土交通省の船舶検査にも合格した。これにより、定期航路において、「自動運転レベル4」相当で商用運航を世界で初めて開始した】
さらに、中国は「グリーン船舶(環境配慮型船舶)」にも多額の投資をしている。代替燃料を動力源とし、脱炭素を推進する船のことだ。25年の国際的なグリーン船舶の発注のうち、その多くを中国が受注したという調査もある。現在の市場、そして将来の市場を考えた時、これは極めて深刻な事態だ。
つまり中国造船業の強みとは、価格の安さにより全世界から受注を行い、建造に必要な技術などを諸外国との提携や技術供与を受けることで自国の技術を向上させる。さらにそこから得られた利益を自国の軍関連の造船に活用するというサイクルを持っていることにある。
艦船に関する能力を強化している中国だが、潜水艦や原子力推進技術では依然として米国が先行している。米国海軍には100年に及ぶ実戦や平時の運用経験がある。中国には複雑な艦隊運用や戦闘シナリオの経験が不足しており、この「経験の差」を埋めるには時間がかかる。
ではこの強大な中国造船業に、世界は今後どのように対処していくべきなのか。
※こちらの記事の全文は「Wedge」2026年5月号に掲載されている「造船立国ニッポンへ 「復活の号砲」を鳴らせ」で見ることができます。
