大阪の都心にシカが現われたことが全国的なニュースになった。最後は大阪府警の施設に“出頭”して捕獲されたが、このシカの正体が話題になっている。
どうやら、国の天然記念物に指定されている“奈良のシカ”のようなのだ。これまでの目撃例(奈良公園から西進する6頭の群が各所で見られた)から、ほぼ間違いないだろう。また角きりされた痕のあるシカもいた。角きりされるのは奈良のシカだけである。
DNA鑑定をすればシカの素性がはっきりするかもしれない。奈良のシカは、動物としては全国に生息するニホンジカと同じだが、長年周辺のシカから隔離されていたため、近年の研究で遺伝子的に違いがあることが確認されたからだ。
一方、奈良県の山下真知事は「(奈良のシカだったとしても)奈良公園を出たら天然記念物ではなく野生動物」と捕獲したシカを奈良公園に運んで放すことを断った。その言葉がまた議論を呼んでいるが……。
ここで若干の誤解がある。奈良のシカが天然記念物である定義や野生か否かについて様々な議論があったことを忘れている。その点を説明しておきたい。
