2026年2月10日(火)

食の「危険」情報の真実

2026年2月10日

反対運動に苦慮

 ところが、今、事業者は反対運動に戸惑いを見せている。日本消費者連盟や「遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン」などの市民団体が今年1月上旬、カスミ、西友、マルエツなどスーパー12社に「遺伝子を操作したゲノム編集食品が市場に出回ることを懸念している」などと書いた要請・質問状を送り、「販売をしないよう要請する」反対活動を続けている。

 12社の中にはイオンのようにまだ販売をしていない会社も含まれる。販売する前から無言の圧力を加えるのが狙いのようだ。

 同市民団体はネット上で販売店の情報を収集するだけでなく、小売店に対しても反対運動を行い、店にまで行って写真撮影や質問するなど営業妨害に近い行動もあった。いくつかの店で販売をやめた例も出ている。

 今のところ、こういう反対活動に理解を示す報道はないが、リスクコミュニケーション問題にも詳しい唐木英明・東京大学名誉教授(薬理学)は「日本では表示義務はないものの、事業者が自主的に表示して販売し、しかも法的に全く問題なく流通しているゲノム編集食品に対して、『売るな』と圧力をかけることは、事業者や小売業者への営業妨害と威圧であり、買いたい消費者の選択肢を奪う独善的な態度だ。声の大きい少数の人たちによって市場が支配されるのを容認していけない」と倫理的な立場からも販売停止の要請に疑問を指摘する。

魚の開発も世界的に評価

 一方、日本では水産の世界でもゲノム編集魚の開発が進む。肉厚のマダイなどを開発した「リージョナルフィッシュ」(京都市・梅川忠典代表取締役社長)は、新聞ではあまり報じられないが、世界で戦える日本の水産業の振興を目指すベンチャー企業だ。

 その革新的な起業性が高く評価され、昨年、経済産業省が主催する「日本スタートアップ大賞2025」で農林水産大臣賞を受賞。さらにグローバルビジネス誌「Forbes JAPAN」(2026年1月号)で、梅川社長は「日本の起業家ランキング2026」に選出された。

 昨年12月には水産業が盛んな鹿児島県阿久根市と「持続可能な水産業の発展に関する連携協定」を締結し、魚の品種改良で最先端技術を目指している。


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