2026年2月10日(火)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2026年2月10日

 ワシントン・ポスト紙の1月15日付解説記事が、米中覇権争いや、対立を深める日中両国の間における、韓国の李在明大統領の微妙な立ち位置を的確に説明している。要旨は次の通り。

(ロイター/AP/つのだよしお/アフロ)

 李在明(イ・ジェミョン)大統領が、国際政治で注目を浴びている。1月13日、日本の高市早苗首相が訪日した李大統領とK-POPに合わせてドラムを演奏した。その前の週には李氏は訪中しており、中国の習近平主席が異例の笑顔を見せ、李氏が習氏からプレゼントされた中国製携帯電話で自撮り写真を撮った。

 日中関係が悪化する中、日中両国は戦略的に重要な隣国である韓国を惹きつけるため、それぞれが知恵を絞っている。韓国は日米との安全保障体制を強化しつつ、最大の貿易相手国である中国との緊張を和らげ、どちらの側にも偏らないようにバランスを取ろうとしている。

 日中関係は、ここ数カ月で急激に悪化している。高市首相が、中国共産党が台湾を侵攻した場合、日本が軍事介入する可能性を示唆したのに対し、中国は、観光客の渡航自粛勧告や重要鉱物輸出制限を行った。

 中国は韓国を「対日集団行動」におけるパートナーと見直し始めた。中国は、両国が日本帝国主義の被害者であった歴史を強調している。

 日本も、韓国との関係強化を望んでいる。その背景には、中国が高市氏の発言に対して日本に報復措置を取っていることもあり、隣国の支持を固めたいという意図がある。さらに日韓両国は、主要産業に関税を課すなど両国を圧迫する米国に対処するため、結束を図ろうとしている。

 しかし、韓国側は、日中間の対立に巻き込まれない姿勢を強調している。

 「北東アジアの平和と安定の観点から、日中間の対立や衝突は望ましくない。両国間の対話を通じて円滑に解決されることを望む」と李氏は、訪日前に述べた。

 中国は東アジアにおける米国の安全保障同盟体制を弱体化させ、米韓日3カ国の連携を阻止したいと考えている。

 韓国国民の間に反中感情が高まっている現状を踏まえ、中国にとっては韓国に対する友好的雰囲気を作ることが重要である。中国は、米中対立において韓国が中立的な立場であってほしいと考えており、韓国を重視している。


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