2026年2月10日(火)

食の「危険」情報の真実

2026年2月10日

 ランチ会ではトマトはパスタやピザ、マダイとヒラメは冷たいカルパッチョと温かいアクアパッツア、トラフグは衣をつけた揚げ料理などとなり、参加者はみな「予想以上においしいね」と舌鼓を打った。

ゲノム編集食品を使ったランチ会(WEDGE)

 5品目のゲノム編集食品を一堂に会して食べるという全国初の試みに対し、主催者の佐々義子さんは「ゲノム編集食品を身近に感じることがバイオテクノロジーの理解に大切だと分かりました」と今回の試食会が成功体験になったと説明する。

高糖度のトマトも開発

 ゲノム編集は狙った遺伝子を効率的に書き換える品種改良の一種。遺伝子組み換えとは違い、外部から遺伝子を組み込まず、その生物が本来持っている遺伝子の組み合わせを変化させる技術である。偶然に起きる突然変異を利用した従来の品種改良と変わらず、品種改良に要する時間が大幅に短縮できる利点がある。

 日本では現在、ランチ会で提供されたトマトやマダイなど10品目のゲノム編集食品が国に届け出られている。最新の届け出(昨年12月)は、名古屋大学発のベンチャー企業「グランドグリーン」(本社名古屋市・丹羽優喜代表取締役)が開発した糖度の高いトマトだ。

 すでに千葉県内のハウスで栽培し始め、今年夏以降、テスト的に販売する予定だ。昨年12月、消費者団体の関係者に説明する機会があったが、「応援します」との声もあり、手応えは十分だった。丹羽氏は「手の届きやすい価格で高品質の高糖度トマトを供給していきたい」と意気込む。

ハイギャバトマトは約300店に拡大

 これらのゲノム編集食品が食卓の顔として定着するかどうかは、日本で初めて登場したハイギャバトマトの成功いかんにかかっている。このトマトの販路は、当初はインターネット販売が主だったが、約3年前から本格的にスーパーでの販売が始まった。

 「サプリメントや薬に頼らずとも、普段の食生活で気になる健康課題解決をサポートしたい」という必死の営業努力が実り、今年1月末の時点で関東を中心に大手スーパー約300店まで販路が広がり、関西でも一部スーパーで販売されている。これだけ全国的な規模でゲノム編集食品(青果物)が販売されている例はおそらく世界でも日本が初めてといってよい。

ハイギャバトマト(筆者撮影)

 ハイギャバトマトはゲノム編集技術で生まれたことを自主的に表示して販売しているが、1袋約400円という手ごろな価格と健康によい効果が受け、人気を得ているようだ。


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