第2次トランプ政権が発足してから突然、発表された高関税政策。日本の輸出企業は2025年4月以降、その対応に振り回されてきた。一方、日本政府は、日本貿易振興機構(ジェトロ)、日本政策金融公庫など、全国に約1000カ所の問い合わせ窓口を設置し、対応している。取材を進めると、関税を少しでも引き下げようと部品の調達先を変更するなど、輸出企業の生き残りをかけた必死の対応ぶりが伝わってきた。
8000件の問い合わせ
戸惑い広がる中小企業……
問い合わせをとりまとめている経済産業省製造産業局総務課・長谷川亘課長補佐は「これまでに約8000件の問い合わせが来ている(米国関税以外の問い合わせも含む。25年12月集計時点)。最も多いのが、自社の輸出している製品に対する関税率など関税措置の詳細に関するもので半分。加えて、約4割が資金繰りについての相談」という。
米国の関税率はHTSコード(関税分類番号)によっている。具体的には米国に輸入される製品に対する関税分類システムで、最初の6桁は国際的なHSコード(国際統一商品分類)で、残りの桁は米国独自の分類になっている。
今回の高関税措置は急転直下の決定だっただけに、米国側の新たな関税率が何%になるのかという認知と、相手国に対する通知が明確でないことが多いという。米商務省が提示してきた新しい関税措置についても不明点が多いため、輸出企業側も弁護士をつけて対応するなどしている。
特に複雑で分かりにくいのが、25年8月18日に対象品目が追加された鉄鋼とアルミニウムの派生品の輸入に対する関税だった。鉄鋼とアルミのコンテンツ比率によっても関税率が変わるため、自社の製品の関税率がいくらになるかを計算するのに一苦労だった。
